戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

アクティビズム第一弾!杉並区民になりたい

 

怒涛の二月が終わり、三月に入ってから生活のカラーがガラッと変わりました。

ちなみに、先日まで夫ゲンさんが十日間留守にしており、ワンオペ育児生活だった戸目子は「責任感をもって生きる」という生き方にちょっとハマってしまい、それがゆるく持続しています。

また、いくつかのイベントで、図らずもたくさんのアクティビストの方たちと触れ合う機会があり、今回はそのことを少し書き残しておこうと思います。

 

 

まずはコレ!

 

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人口57万人、有権者数47万人という規模の区長選にも関わらず、わずか187票差で決着した2022年 杉並区長選挙。この選挙に立候補し現職を破った岸本聡子と彼女を草の根で支えた住民たちに密着したドキュメンタリー『映画 ◯月◯日、区長になる女。』

 

この杉並区長の岸本聡子さんについては、一年前、ゲンさんがこのBBC記事を送ってきて初めて知ったのでした。


 環境活動家である岸本さんが自転車で通勤する写真が印象的だった

 

その岸本さんの、あの奇跡の区長選を追いかけたドキュメンタリー映画があるのか!と知ったのが二月。
ポスターがカッコいい。
しかも上映はポレポレ東中野。
しかも監督とお茶会がある日もある(先着5名だけど)。

 

行ってきました。

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 この監督の佇まいにツボりました。(SNS用撮影タイム)

 

結果、ホント行って良かった。

というか杉並区に引っ越したい。
こんなメイヤーがいてくれるの、素敵やん?

 

2022年の区長選は、いつもは30%ほどの投票率を5%以上上げての当選となりました。
そして、「投票率が少し上がれば大きな変化に繋がる」ことを身をもって知った杉並区民の、後に続く区議会議員選挙では、投票率43%で区議の女性比率50%を達成。(20~30代女性の投票率が上がった)

女性議員といっても色々です。
長く自民党のじいさんたちにヨシヨシされてお行儀良く育ってきた議員さんにしたら、岸本さんは目の敵でしかないわけですが。

なんであれ、絶えず変化する社会に柔軟に対応するためには多様性が必要。
そういう柔軟性をもった杉並区はもうそれだけでカッコいいっス。

 

国際シンクタンクのNGO研究員を長く務め、選挙戦の2ヶ月前までベルギーに暮らしていた岸本さんは、まず地方自治・地道な市民運動でのみ社会は変わると主張する。
活発な住民運動の歴史をもつ杉並区の人々と相性は良い。

良いけれど、映画には対立する場面もいくつかあります。
途中、自分の存在が、住民運動ベテランの猛者たちの自己実現に利用されているような気持ちになる岸本さんの葛藤とか。
同じ方向を向いていても、ふたつ以上のパッションが共存するとこういう対立はつきものだよなぁ。

驚くのは、岸本さんはもちろん、この映画に出てくる女性たちのコミュニケーション能力の高さ!
いいなぁコミュ力高いの羨ましいなぁ₍₍ (̨̡ ‾᷄⌂‾᷅)̧̢ ₎₎
見ていて清々しいにもほどがある。


よく、日本人は人との対立を避ける傾向にあるとか、表面付き合いの多い国だと言われたものだけど、こうして自然体で正面からぶつかり、解り合い、連帯していく人たちを見ていると、一体どこでどうやってそのコミュ力を磨いてきたのか?と不思議に思う。
戸目子は対立こそたくさんしてきたが、コミュ力が特に高いわけではないので、こういう丁々発止のやりとり(with パッション!)を見るととてもインスパイアされます。愛を感じる。 
(夫とはほぼ毎日パッショネートに闘ってるというのに、進歩の見られない戸目子のコミュ力)

 

うちの子供たちがこれを興味深く見れるのはいつだろうか。
こうやって生き生きと能動的に活動する女性たちを見たら、政治=男ばかり in 黒スーツなんて刷り込みはされないんだろうな。
ちょっと羨ましい。

 

 

お茶会

そして鑑賞後、監督さんを囲んでのお茶会に参加しました。
参加者は5名限定だったけど、本当に多様なメンツだった。
この日のために夜行バスで遠くから来た人、選挙に行きたくても行けない事情のある人、サラリーウーマンの環境が自分の人格に及ぼす影響に危機感を持ちフリーランサーになった人、PTAの中から社会変革を試みる人──
政治の腐敗、セクシズム、レイシズムと闘う人たちとの会話はマジに貴重です。
だって、この国ではそういう話がふつうにできる機会すら本当に本当に少ないんだ・・・

ホント行って良かった😭

 

 

残念なこともある

参加者のひとりが監督さんの著書(自伝)を読み、好きになったと言っていたので、どれどれとすぐさま買って読んだのですが、これが戸目子にはまさかのハズレだった・・。

 

詳細は省きますが。
これを読みながら、人をファイターたらしめるものってなんだろう、?と考えていました。
ファイターといってもそんな大層なものでなくても、個人の問題は構造の問題だと気がついた上でどうすべきか考える、とかも立派なファイター精神。

例えば、この社会にはスクールカーストなるものがある。その中でたくさんの子供たちが被害を受け、この著者もそのひとり。
そこで自分なりに試行錯誤していくわけだけど、最後まで、スクールカーストという存在の是非は問わない。
ルッキズムという差別一色のこんなアホらしもんがなぜ存在して、なぜ子供たちが無意味に苦しまなくてはならないのかといった問題提起の視点がないことが気になりました。(そもそもスクールカーストというネーミングが凄まじい)
ある特定の子どもたち(著者)に負荷のかかるシステムや差別構造を問題視せず、こうして相も変わらず個人の問題として片付けていると、新たな被害者が絶えず量産されるだけなのに。

また例えば、子供の頃ブスという言葉にトラウマをもつほど苦しんだのに(苦しんだゆえ?)その言葉の是非を問うどころか、ポジティブ変換してアクロバット活用していく。むしろその柔軟性に感心する。
さらには紆余曲折あって自分に「オヤジの視点」を取り入れ、以後は更なるルッキズム思想を極め、女をモノとして見る目に磨きをかけていく──
といったことが実にサラッと書かれていて、読めば読むほど世の中が嫌いになっていくような。
これに共感できる人が多いとしたら、絶望だよ。(Amazonでは高評価)

他、ここに出てくるあらゆる問題に関して、ほぼ現状追認で止まっていたように思う。

苦しい現実を真面目に受け入れ、その苦しみから逃れたい一心で自分をそこにはめようと切磋琢磨しているうちに、大人になったら自分がその構造の一部(共犯者)になっているという悲劇。

そういう人が多数だと社会は変わらないし、それが今の日本なのではないでしょうか。


読み進めながら、そうかこの監督はファイターではなかったんだ、と気づいたのでした。
ファイターでないこと自体は、生き方なので咎められるところではないけれど、こうやって堂々たる差別の継承を本にされると、それを読んで無意味に嫌な思いをするという事故は避けられないです。

だから、バリバリのファイターである岸本さんを追っているからといって、勝手に監督のスタンスを決めてかかったのは戸目子の間違い。


ただ、これは十年前に書かれた本。それより後に書き加えられた「おわりに」では、また少し雰囲気が違っていました。
2010年代の社会変化はすさまじかったので、個々人もかなり変わった気がしますが。

 

上映後、客席の奥から小走りで舞台に上がり挨拶をしたこの監督さんの佇まいに、戸目子はむちゃくちゃ興味をもちました。

この国で「女」に求められる「笑顔」「高い声」「楚々とした/魅惑的な動き」「可愛い系/清楚系ファッション」のどれもないその姿は、この文化に意図して対抗しているように映り、かつ自然体ならではの魅力があった。
でもこの本を読んだ後は、今の彼女自身が自分についてどう思っているのかはわからない。もしかしたら「自分以外の何者か」になろうとしてまだ頑張っていて、なれないでいるのかもしれない。
どちらにしても、彼女のような人こそが、しがらみなく自由に生きられる社会であってほしい。

 

この日のことだけでお腹いっぱいになってしまったのであとは分けて書こう!(眠すぎてもう字があんま見えない)

 

 

 

その日メモ :

お口直しにせやろがいおじさん!

最近こんな投稿があってめちゃくちゃテンション上がりました。

彼の日常生活に入り込めるなんて、、夢のよう❣️
家の姿も、料理の内容も、すべて温かい・・・
ほんとすき!!!!

 

彼が結婚したときは少しズキっときましたが、お相手が素敵なかんじ!!

ずっと考えてはきたけど、戸目子では彼を幸せにできんと思う・・

 

 

 

 

 

Happy 2024 !!!


あけましておめでとうございます。

この年末年始は、東京の自宅で過ごしたもんですから、テレビの映らない我が家はニッポンの正月の雰囲気ゼロです。

大晦日の記念に、戸目子の(本格的な)初恋であるエドワード・シザーハンズをみんなで鑑賞しました。

 

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おふねの感想「マミーがエドワードと結婚しなくて良かった」

 

異質な者は、あれやこれやと頑張ってなんとか一員になれるか、少しのミスや被害(!)、自己表出であっけなく排されるか── これは移民として生きる人たち(外国の日本人も)とか、男社会におけるわきまえた女とか、マイノリティ定番の物語。

共同体マジョリティは、異質性を排除することで結束を強めるから、いつも異質な存在を必要としている。
そういう人間のグロテスクさを、この映画はサラッととかではなくグロッと出しているから、いつ見てもグエッとなります。

わたしたち人間は、ある時はエドワード、またある時はジョイス👇となるわけで──

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この一年は特別充実した年となりました。
なぜか?



1 : くるま!

22年の終わりに免許を取り、愛車を手に入れてから、この一年で約7,000km走りました。(ごめん地球...)

車を持ってからの一番大きな気づきは、道路社会が更なる男社会であること(そもそも数からして8割方が男性ドライバー。教習所では過半数が女性だったのに...)、
そして車があるとむっちゃ人の役に立てるということ!

以前までは「うちらのためにわざわざ車出してくれるなんて、かたじけない...」みたいな気持ちがちょいちょいあったんだけど、これからは車の人からのオファーには積極的に乗ってこう!
てくらい変化。車で人々の移動の一助となれることの幸せを噛みしめています。(これは効率の良いことをしてるレアな瞬間がすきという戸目子の性格もあるかも)

そして何より、赤ん坊がいると車移動が便利。
そしてまた、車でしか行けない場所の開拓が楽しい。

 

2 : 出産育児

3月の出産から9ヶ月。
もう毎日「かわいい☺️」と「かわいいねぇ☺️」しか言ってないと言っても過言ではない。
マミーブレイン(産後の母親に起こる一過性の脳機能の低下)もあるかもしらんけど、明らかに言語能力が落ちてる。

ちなみに息子ベビーは12月から保育園通い。
ベビーと離れてるときは、彼の動画とか見て「かわいい☺️」て言ってる。
また、第一子育児のときとの自分と、今の自分の違いがたくさんあるのが面白い。

それにしても、保育・介護・看護というケア労働をされてる方には感謝してもしきれません。
我が子の面倒をみてくれる、可愛がってくれる、安全に過ごさせてくれる、感無量。

 

3 : アート

何年も自分の中でくすぶり続けていた芸術への疑問に、少し意味を見出せてきたような気がする。
創造性というのは思ってたよりシンプルで、思ってたより大事なんだ、という気づきが何度もあった年でした。

 

4 : 加害者変容プログラム

これは2022年からだけど、引き続き取り組んでいます。
戸目子の(現在は主に夫に対する)加害的コミュニケーションの自覚→加害性の認知→問題提起を経て、変容なるか?というとこでしばらく停滞しております。
子供時代から長年染み付いたものの手強さを実感。

自己変容を試みるなら、早ければ早いほど、若ければ若いほど良いですね!
いつでも遅すぎることはない(やるに越したことはない)んだけど、年々その難易度は爆上がりする気がします。

「変容とは、視点(視野)そのものが変化すること」
(J.メジロー)

視点が変わると、見えている世界そのものが変わる。
そういう体験が多くできれば人生楽しいけど、長い年月の間に定着した主観・思考の癖、相手との関係性といった根本を変えていくのは、ラクではないし時間がかかる!

 

と、いうふうなかんじの一年でした。

そしてとうとう日本を出てヨーロッパに拠点を移すか、という話が本格化していますが、考えすぎて、長引きすぎてわけのわからないことになっています。

また、夏にハワイ、ドイツと家族で滞在したことで、一気に貧乏になりました。(日本内にいると実感なかった、インフレと日本置いてけぼりの恐怖よ・・)

 

 

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。🤲

 

 

 

 

 

 

ボーっとしてなくても巻き込まれる仕組みになっている

 

戸目子は紙の本が好きで、積読コレクションがすごいことになっていますが、kindleの積読コレクションもすごいことになっています。

とくにkindleは1クリックで買えるので危険。
どうも【買った=読んだ】と脳が解釈している様子。

その中で、5年以上kindleライブラリでお眠りになっていたこちらを読了。

 

 

どういう経緯で買ったのか忘れたけど、開けてびっくり漫画だった!ので、一気に一晩で読み終えました。

タイトルの "カルト宗教" とは、かの有名なJW - エホバの証人のこと。
著者は元信者のたもさん。
なかなか引き込まれます。

 

エホバの証人は、一応聖書を教典とするキリスト教。
玄関のモニターに映る、(基本)微笑をたたえた二人組の女性を、誰でもすぐ思い浮かべられるのではないでしょうか。

──この世の中は悪魔サタンに支配されているから、エホバ(神)が、近くハルマゲドンで世界を滅ぼす。
でもエホバを信じる人は生き残り、地上の楽園で永遠の命を得ることができる。

なお、肝心の禁止事項は...

偶像ダメ(国歌や校歌などもダメ)
性の不品行ダメ(ここはカトリックまんま?)
戦いダメ(柔道剣道ボクシングなども)
輸血ダメ(よく裁判沙汰になってます)
etc..

 


印象深いシーンが色々あります。

神戸・淡路大震災に遭った当時中学3年生のたもさんが、亡くなってしまった知り合いの信者について、
「なぜエホバを信じているのに助からなかったの..?」とつぶやく。
すると、母親(信者)にすごい剣幕で怒鳴られるシーンがあります。

「たっちゃん!!疑念を抱くのは良くないことだわ!!あなた サタンにつけ狙われるわよ!!」

と。
そう、疑念を抱くのは良くない。(アホでいないと)

 

また、エホバでは大学進学が忌避され、ふつうの社会で夢を持ったり好きな職につくことが難しいという。
たもさんももちろん夢を諦め、20代はバイトとエホバの奉仕生活で貧困を極めた。

 

エホバの証人は貧困ビジネスに似ているかもしれません
信者に学がなく 貧乏であるほど神にすがるようになるからです


宗教(に限らず、あらゆる団体組織のトップや独裁者)というのは、人間を操るプロ。

人々にはできるだけバカでいてもらう必要があるし、貧乏であれば日々生きることだけに必死になってくれるから操りやすいのだろう。
あとは何かに恐れとか抱いてくれればもう言うことなし!

ところで、これは子供を洗脳するグルーミングの手法に似ていませんか。
子供の純粋さや判断力の未熟さを利用して「信用」させる。そして「自分の思い通りに動かそうとする」。

犯罪もそうだけど、うかうかしてるとこれは親が我が子にもやってしまう。。
例えば、子供に「あなたのためをおもって」と言いたくなったときは立ち止まる時、と思っています。

子供のためを思って何かをやるのはいいとして、それを子供に言わなければならない場面というのは、大抵、思い通りに動いてくれないとき。
子供を思い通りに動かそうとしている自分を疑うことは、とても大事だけどとても難しい──

でも、親という絶対的強者の立場にあるからには、そこを自分に問い続ける必要があると思います。
親は教師ではないし、導くことはあっても、あくまでもその主体は子供個人(他人)。
その子がその子であれるようにサポートするわけであって、自分の思い通りに矯正したり、恩を着せる相手ではない。
子供は自分でもなければ自分の所有物でもないし、自分の芸術作品でもない。

自戒を込めて、、   ( ¯ᒡ̱¯ ) スゥ・・・

 

 

最近、日本ではカウンセリングに通うことがまだまだ一般的でないねという話をしていたときに、流れで、カウンセリングの代わりに男はキャバクラ(等)に行き、女はカルト(等)にハマる。という実に偏った結論に行き着いた。
でもこれ、間違ってない。
(カウンセリングの代わりといっても、その方向性や効果は真逆だけど)

風俗界もカルト界も、「騙し」の世界である。
どちらも「あなたは特別♡」と心地よく騙してくれる。
あるいはカルト周辺の世界は、そんな特別なアナタに特別上質なものを☆といった売りで身近に潜み、それに乗せられていると「買え/売れ」のマルチビジネスの世界が開けてきたりする。

話が逸れました。
本来は、自分が自分を特別な存在として大事に扱わなければならないところが、なにぶん難しいので、向き合うのをやめて他者に依存してしまう。
人は弱いから、誰しもこの傾向がある。
依存相手が人でなくても、学歴や美貌や金や権力や、実に多種多様。
戸目子も、日々ゲンさんの言動に敏感なのは、ゲンさんに93%くらい依存してるからである。自分で自分を支えられている部分は7%くらいあるが、そのたった7%をすごい誇りに思っている。
自分を支えるって素晴らしい。(ちなみにここ数年の伸び率がすごい)

そして、この人を依存させる仕組みが、風俗界やカルト界というのはすごい完成度で出来上がっている。

戸目子の親世代(今の60-70代)は、それまでの大家族文化から核家族化していた中、専業主婦ワンオぺ育児の母親となった人が多く、その頃にたくさんの女性がカルト宗教に入信したと聞いて、へへーと思ったことがある。
孤独感と無力感に苦しむ人たちをターゲットにして、うまくつけ込んで金儲けするという発想が、悪以外のなんであろうね?

 

カルト界というのは本当に、あの手この手を使って、いかに「一般社会が実は恐ろしいもの/皆が騙されている世界」であるかを説くのだ。

反ワクチンに傾倒していた友人は「ワクチンを打たせている親は本当に子供のことを考えてるのか疑問」と言ったし、マルチに傾倒していた友人たちは皆「いいモノを扱っているのだから問題ない」「虚偽記載なら正規商品だって同じことをしてる」と言っていた。
代替医療、オーガニック食品やスキンケア関連、自己啓発セミナーにスピリチュアル、教育関連、陰謀論。
これらの世界に潜むカルト性は、ネットの威力でもはや無視できない規模で人々をコントロールしていて、どこも「言ったもん勝ち」みたいな世界になっている。

一旦、◯◯のせいで△△になる、という言説が広まると、それに反証するほうがずっとエネルギーも頭も使う。莫大なデータをもった科学(者)にそれができたとて、それを理解する人/耳を傾ける忍耐のある人がどれだけいるだろう?
なんにせよ◯◯のせいで△△になるのインパクトに勝るものはなさそう。
人は常に因果(理由)を探していて、手っ取り早く理由づけて安心したい生き物だし、いつでもシンプルかつ唯一の正解を求めてしまうのだ。

 

そして現代はネットという巨大な陰謀論プラットフォームである。
ボーッとしてたら私たちはいつの間にか高額なものを騙されて買ってるし、トンデモ情報に麻痺しているし、テキトーなデマ(でもたまに命に関わるやつ)を日々交換し合ってるし、自分のデータは他人のデータ、という世界を生きている。
現在の資本主義社会において「情報」は金を持つ者が思い通りに操作できる。
だから、もうボーっとしてなくても巻き込まれるものと覚悟して、積極的に情報リテラシー/ネットリテラシーを身につけていくしかない。

というようなことを、常に意識に置いておいてソンはないと思います。
(ジェフベゾスのガールフレンドと呼ばれて久しい戸目子より)

 

 

おわりに、たもさんの本のあとがきが印象的だったので、一部載せておきます。

洗脳されている当の本人は(かつての私も含め)自分が洗脳されているなんて夢にも思っていません。むしろ、唯一無二の真理を知ることができているという、謎の優越感を抱いています。そして真理を知らない人、知っていてもその教えを守らない人を、「いずれ滅びる気の毒な人、救いの必要な人」とみなしています。

今思えば恥ずかしい話なのですが、要するに上から目線なのです。

 

 

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これは昔ネットで拾ったやつ。
こういう単純化はよくないんだろうけど、面白いからとっといた。

 

ちなみにここ一年ほど、戸目子は子宮系スピリチュアルのウォッチャーです👀
感嘆、驚愕、愕然、感心が止まらない!ずいぶん楽しく拝見しております。

 

 

 

 

最近の遠出② 京都

 


なんと、一年以上もご無沙汰してしまいました!

その間、戸目子は妊娠や出産などをしていました。

気を取り直して、今年はちゃんと書く!

 

まずは、下書きに温存されているエントリに筆を加えながら──

 

 

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【2022.8】

6月に、家族で6年ぶりの京都を訪れました。

 

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 おいしくないニシンそば

腹ペコで京都駅に降りたったものの、駅にはなにも良さげな店がない。
ふつうの居酒屋やチェーン店ばかり。

とりあえず、ヌードル好きな娘おふねの選んだ蕎麦屋に入って食べた京都名物「にしんそば」が、びっくりするほどまずかった!安くないのに。

それ以来食べてないので、店が合わなかったのか、にしんそばが合わなかったのかは不明。

 


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 清水寺に向かう道のり

翌日、ゆっくりと準備して清水寺へ。
時期的なものか、観光客が少ない。

ソフトクリームを食べたり、新郎新婦の写真撮影をストーカーしたりしながらゆっくり歩く。

清水寺までの道のり、とても楽しかったです。

 


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 お土産を買う

毎回緊張で固まるおふね、一人で支払いに行くと言い張る。
ここでは、以前神戸でも買った猫の置物を買ってた。

少し道を外れれば、古めかしい刃物屋やアンティークショップがありました。

明治時代に作られた版画・水彩画レプリカ、骨董品など、貴重な品々が所狭しと置かれた店に感激しながら入ってゆく夫ゲンさん。

店員のおじいちゃんが「おじょうちゃん、気をつけてねぇ..」(意訳 : 壊すなよ?)
と優しく言うなり、それで酷く傷ついたおふねの機嫌が急降下。
戸目子と一旦外に出て心を落ち着かせる。

ゲンさんはおじいちゃんと二人、身振り手振りのコミュニケーションで絵を選んでいた。

 

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おばあちゃんちの床の間にありそうな、古げな版画レプリカ
約150年前のもの
帰宅後、Zoomミーティングのときにいいかんじに映り込むようセッティングするゲンさん

 

 

道中、おっちゃんらが道端で開いていたフリマで買ったこのピンバッジが、今回の旅の一番の収穫。

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 ”ベトナム人民支援委員会”と彫られてあります。

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 清水寺で鐘を鳴らした

戸目子は中学2年の修学旅行でここに来ました。
学生の団体さんを眺めながら、ローティーン当時のスパイシーな幸福感を思い出す。

厳かな雰囲気の中、ひきしまった顔をして鐘を鳴らし、手を合わせるおふね。(正確には鐘でなく、磬子をつく、というらしい。けいすをつく。)

「家族の幸せを願った」んだって🥹
ほぼ反射的に自分の幸せを願った戸目子にはもったいない子供ですほんまに。

 

 


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 実現性の高い願い事

真剣な眼差しで書いてた。
くもんの効果で、ひらがなも大分上達しました。


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 お守り

数ある願い事のなかで、"子授け守" だけ倍の値段設定なのが腑に落ちない。
不妊の悩みは他に比べてせっぱつまってるだろうから倍出しても買うだろうという魂胆?なんか知らんけど、なんか不快感。

 

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 人力車乗る

乗った瞬間から降りるまでずっと違和感。
信念を持って運んでくれるベテラン兄さんではありましたが、うちら二人の重量を思うと、上り坂とか特に申し訳ない気持ちに、、


途中、おふねと同じくらいの、バッチリ舞妓さんの化粧を施された女の子が、すでに出来上がった楚々とした出立ちで足早に歩いている姿が。

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どんな事情があるのかわからないけど、とりあえずこの子の将来に選択肢がたくさんありますように。

「高級」とか「伝統」といった一見美しそうなヴェールを纏わせて、中では極秘のもとに加害が横行するような "文化" なんて不要なので、早くシステム変えるか無くすかしてほしい。

 


普段、世界中から来た観光客を相手に20年以上ここで車夫をしているという人力車のお兄さん。
乗る前に、徒歩のゲンさんと目的地について話し合っていたら、
「ダンナさん、なに人ですか? えインドですか??きれいな英語を話されてるのでびっくりしました!」というポジティブ・レイシズムをいただきました。

ゲンさんはこれを日本で何度か言われてきたけど、その意図とは別に、これは褒め言葉にはなりません。(※日本人が日本人に対して同様のコメントをするのはもちろん問題ない)

あと、日本にいる外国人に対して「日本語上手ですね」という褒め言葉にも辟易している人は多い。
今日もまたニホンゴジョーズされた (They Nihongo Jozu-ed me again)、と動詞バージョンでの報告も。あまりに上手いと言いそうになる(てか言ってしまう)けど、気をつけたいところ。

ま、つまりは初対面の他人について勝手に推測したり先入観をもったあげく勝手に感心して、それをズカズカと表明してくるなということ。そういう推測や先入観ってのはたいがい失礼なものだしね。


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 鴨川沿いに座る

初々しいカップルなど、多くの若者がズラッと並んで平和を作ってる川沿いで、なんとなく "年季の入った" 自分らを感じました。

 


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 鴨川沿いで夕食
(でも川が見える席は早くに予約で埋まってた)

ゲンさんの友人を交えて楽しむ日本料理。
ドイツの大学で働く数学者で、タイ人のKさん。

たし算の話をしてる中、彼に「なぜ 2+2=4 だと思う?」と聞かれたおふね。
「 2+2=4 だからじゃん。What else? 」と呆れた顔で答え、反論できぬKさん。これは、うちの娘が数学者を論破したってことでok?

Kさんは子供時代、母国タイでギフテッドクラスに所属していたという。
ギフテッド?!なんてまた大仰なネーミングだけど本当にあるんだ‼︎ と思って、色々質問責めにしてみた。
お金の限られた国の若者の、学に対するエネルギーってすごい。そしてその国の「特別に秀でた"人材"を自国に還元しようとする」仕組みも、、

また、ギフテッドクラスなるものの男女比が自然に半分半分くらいだったと聞いて驚いた。
こんなクラスが国をあげて日本にできたら、と考えるだけで恐ろしいよ。そもそも日本の難関大学の男女比がエグい。

それよりおふねの緘黙症の症状は、彼には出現していなかった。普段英語のインターでも言葉が出ないのに、なんでだろう?

 

 

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ホテル大好きおふね
去年から、寝る前に必ず読む "DOG MAN"シリーズ持参

このドッグマンという漫画、ユーモアのレベルにかなり幅があるのに子供に大好評で有名。

全10冊くらいあるけど、何度も何度も繰り返し読んでいる。

 

 

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伏見稲荷大社の「千本鳥居」

翌日、ゆっくり支度をしてから向かう。
この千本鳥居、ようやく終わったかと思ったら更に山奥を一周できるコースがあった。

行きたがっていたなぁ、、ゲンさん。

 


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実現性の高い願い事2

戸目子は子供の頃、大人になりたいと思ったことがなかった。それに比べて、なんと生へのエネルギーに溢れた子よ。それか、大人であるわたしたちが魅力的なのかもしれません!
今日帰ったら理由を聞いてみよう。

 

 

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最後は、京都から帰ってすぐ見に行った上野科学博物館の特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』より

こういうのは誘われでもしないかぎり絶対に行かないので、行けてよかったけど、これは思わず写真を撮りたくなった、美しい翻訳

 

 

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最近の遠出① お台場・横浜

 

このところ家族ネタが増えてきて、「娘」「夫」と連発することに違和感を感じてきたため、これからは娘はおふね、夫はゲンゴロウと表記します。
名前の由来についてはこちら☟

『戸目子』の由来 - 戸目子のブログ

(ほんもんのゲンさんには申し訳ないけど‼︎)

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戸目子は旅行があまり好きではありません。
どうしてこの重い体をハァハァ言って動かしながらわざわざ別の場所に移動しなければならないのか、意味がわかりません。
観光、と聞いただけで眠気に襲われます。

 

旅自体に特別な思いがないので、写真を撮る習慣もあまりありませんでした。
子供が生まれて以来、今ではもう写真を撮らない日はない!というくらいのパシャパシャ生活ですが、それまでの映像記録があんまりない戸目子の過去。
今更、人にもらった写真たちをありがたく眺めるばかり。

 

例えば、大人になってから初めて訪れたニューヨークも、1週間の滞在のなか自分で撮った写真は約20枚。

それも見てくださいよこのクオリティを。

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 なにこれ

 

この時は、NYお初の戸目子のために、マンハッタンの友人がフル観光プランを用意してくれていました。なのに結局なんやかんや言って、市内では外食と古本屋めぐりくらいしかしませんでした。そこで大量に買った古本は今も棚に眠る最高の土産です。(読んでないけど)
ちなみに、古本は旅の自分土産ベスト1と思っています。読まなくてもいいんです。出会いです。今もその本たちを手に取ると当時が蘇ります。
アンティーク雑貨などもイイデスネ!

 

市内ではまったく観光気分になれなかった戸目子も、さすがにNY郊外のウッドストックは「来てよかった..」と溜息でました。

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やる気ない写真2
「確かこの辺にユマサーマンの別荘があるはずだけど..」と言われテンション爆上がったとき

 

ウッドストックの山はちょっとしたハイキング。当時の戸目子には発想すらなかったアクティビティなので、足はサンダルだったけど、なんとなく楽しかったです。
途中で突然怪しいものが現れたりしました。

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やる気ない写真3
ベルリンの廃墟を彷彿としてちょっと気分上がった


この登った先にカラフルなチベット寺院がありました。
なのに寺院の正面ショットはなく、唯一の写真がこれ↓

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 寺院裏手側の喫煙場所
 

中では20人くらいの人たちが瞑想していました。
戸目子の友人も、毎日瞑想するほど徹底した瞑想人だったので、もちろん二人で加わったものの、戸目子は瞑想なんて慣れてないしダライラマ14世が好きではないし全然集中できず。

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多分どこから何を撮ってるのか知らないんだけど
一応それらしい一枚


これはこれで良き思い出ではあります。

どこへ行って何を見たかよりは、どこで誰とどんな話をしてどんな気持ちになったかという部分が、一応戸目子の旅の醍醐味です。
そのフィーリングというのは、それぞれの街の個性が強く影響してくるので、唯一無二のものとなります。
そういった旅や移住生活によって自分自身が作られてきた、という自覚はあるので、"旅" の価値は理解しています。

ただ、旅好きの人たちの多くがそうであるように、行く先々で見るもの触れるものを新鮮に吸収したり反応したりできる感性を持てればなあ、と、旅をするたびに思うのです。
なにか大事なものを逃しているような感覚ですが、それが何なのかがわからないのです。

 

娘おふねも戸目子に似たのか、旅には興味がなさそう。
乳児の頃からコロナ禍までは旅の多い生活だったので、いくらでも旅好きになるきっかけはあったはずですが。

かくして戸目子家は、旅のパッションをシェアしようと頑張るゲンゴロウとツレない戸目子、旅先でよくぐずるおふねと、圧倒的にゲンさんに不利な組み合わせ。

それでも、コロナ第6波が収まってきた5月末から6月にかけて、かつての旅生活を少しずつ取り戻す準備として、一家で少し足を伸ばし始めました。
せっかく写真も撮ってるし、少しここに書き残しておこうと思います。

 

 

【お台場】

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 お台場シンボル 観覧車のる


この観覧車、スケスケのゴンドラもあります。
その列に並んでいる人々の顔を拝見しながら、尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

高所恐怖症の戸目子は、観覧車でも
↓絶対こういうふうになる

 

 

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お台場のビーチ
この熱のこもったショットよ!20代の自分に見せたい

久しぶりのお台場、よかったです。
食事はどこも美味しいし、なぜかあまり混んでなかったし、ただうろついてるだけで子供が喜ぶサプライズがちょこちょこあります。

 

 

【横浜】

たいぎい。
歩くだけでたいぎいのに、なんとなくこの街の人工的なかんじが疲労感を増幅させる。
人工的といえばお台場もなのに、この閉塞感はなんだろう?
みなとみらい駅を降りてすぐ見た大道芸人の芸が個人的にはクライマックス。(大道芸人大好き戸目子)

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 県で一番高いらしいランドマークタワー

ここ、下部分がイタリアを思わせるような石造りになってるんだけど、感動したゲンゴロウが「またこよう!」とか言うから「なんのために?!」と少し言い合いになった場所。

 

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 カップヌードル・ミュージアム

おふねは、カップヌードルはトムヤムクン味だけを異様に愛する子です。
展示物の面白さもあってとてもハイテンションでした。


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戸目子の母が生まれた翌年に最初のチキンラーメンができたのかー

 

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安藤百福さんがカップヌードルを発明する経緯を
シアターで鑑賞


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デジタルアートを使った解説も充実していて、
子供も大人も面白く学べます

 

全てミニサイズのメニューで揃えたエスニックレストラン(フードコート)は圧巻です!
ガブガブ食べれないのでお腹が空いてる人には辛いけど、いろんな国のいろんな種類のヌードルが、プチサイズで注文できます。

ただ今回は、入館した時点で、自分のオリジナルカップを作るイベントの整理券配布が終了していて、製作できないと知ったおふねがショックでグズグズモードに。
最後にカップヌードルのトミカを買ってからはずっとご機嫌さんでした。

 

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ランドマークタワー最上階、スカイガーデン
目の前に広がるサンセットには目もくれず、
視界30cm先のトミカにずっと夢中のおふね

「戸目子ホラ!あっちに鎌倉が見えるよ、あっちが東京だよ!」とか言ってるゲンゴロウに、「だからなに?!」と少し言い合いになった場所。

ゲンさん曰く、観光云々ではなく、「この素晴らしい場所」を共有する/居合わせるモーメントが特別なんだって。まぁ、わからんでもないけど、モーメントの共有なら素晴らしい我が家ででもできるやん?と思うところ。ま記憶に残るのはこっちだけど・・


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ゲンさんが美しいサンセットに息を呑んでるあいだ、戸目子はアニメフィギュアたちとの夕日ショットを何十枚もカメラに収めるのに必死な方を観察する

たしかにこのアニオタさんの熱意をこんな身近で感じることは、我が家ではできないけども。

"2階と69階のスカイガーデンを約40秒で結ぶエレベーターの「下り」速度、分速750メートル(時速約45キロ)は世界一"


世界一、とか県一、とか野心的なアピールの多い街でした。(一観光客の感想)

 

 

〈最近の遠出②につづく〉

 

 

 

 

その日メモ :

全然その日メモじゃないけど、、
安倍元首相が撃たれ、政界とカルト宗教の深〜い仲が完全に明るみにでたという事件のあった七月です。

意外にも、周りの人たちが安倍氏の死にショックを受けたり驚いたり悲しんだりしていたことに大変ショックを受けました。テレビ報道のあり方もすごかったみたいですが。
暴力反対はもちろん、これで暴力の連鎖が起きないことを願うばかりだけど、安倍氏の死に関しては自分にとって「ただの一権力者の死」でしかなく、むしろ彼とその取巻きがこれまで行ってきた数々の権力乱用によって失われた命や人権の方が、気になって仕方ない。
それに、その一生をずっと重宝され、小さな頃から高い高いゲタを履かされ、まあ凡人なのに背負わされた運命は酷といえど、使えるだけの権力を使い倒し最後は恨まれて死んだ元首相より、存在を無視され虐待死した幼児たちや、存在を否定され惨殺された障がい者たちの死のほうに何百倍も心が痛む。(相模原の事件から昨日でちょうど6年目でした)
メディアひとつ、なぜこうも扱いが違うのか全然わかりません。

とにかくうちにはテレビがないので、今回の「おおごと」な雰囲気を延々と感じずに済んだのは幸運でした。でもだからこそ、ちょいちょい驚くような展開を見せるニュースに辟易しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発達障害 ASD /診断編

 

今年に入り、オミクロンの到来で色々と延び延びになっていましたが。
当初、選択性緘黙症で受診していた娘ですが、最終的な診断名は『発達障害、自閉スペクトラム症(ASD)』。

「かつてはアスペルガー症候群とも言われていましたが、聞いたことはありますか」と医師に問われ、
「むちゃくちゃなじみ深いです」
と即答しかけたものの、「あはぁ、なんとなく。」と緩やかに着地。できるだけ細かく最新の情報に当たりたく。

医師によると、娘の場合「緘黙症というよりは、自閉症が先にあって、その不安から二次障害として緘黙の症状が出ていると考えられる」ということでした。

 

【自閉スペクトラム症】
人との相互的な意思疎通や状況に応じた適切な行動がとりにくい、特定の物事へのこだわりが強く柔軟な対応ができない、といった自閉症の特性を示す発達障害の総称。自閉症・アスペルガー症候群・特定不能の広汎性発達障害を、境界のあいまいな連続した一つの障害として捉えたもの。自閉症スペクトラム障害。ASD(autism spectrum disorder)。
─デジタル大辞泉より

 

10年ほど前まで、自閉症は3つくらいに分かれた名前がありましたが、ヒトの脳のこと、線引きの難しさからか、すべてを連続体(スペクトラム)と捉えこのような名称で統一されたようです。

発達障害(精神障害)に関してはここ10-20年の認知が目覚ましく、医療現場での対応も目まぐるしく変わっているのかもしれません。

でも、日本の教育現場では発達障害全般の知識がまだまだ充分に知れ渡っておらず、特別支援学級でさえ専門免許を持たない先生たちが多くいる問題があります。
ただでさえ教員不足/教員の過重労働が叫ばれてるのに、発達支援まで行き届かないというのが現状でしょうか。
娘の場合も、診療や知能検査など毎回の日程が空きすぎて、時間がかかったかかった。
「実際の支援受けるまでに成長しちゃうじゃん!」と何度思ったか。
周りの話でも、発達障害を持つ児童数に対して発達支援側(医師・教員・機関)の数が圧倒的に不足しているといい、適切な支援を得られない子供たちも大勢いるようです。

ということで、あれ?何かおかしいなと思ったら、できるだけ早く受診することをお勧めします。

 

娘の自閉的な傾向は乳幼児の頃から出ていたので、「あー、やっぱりか」と特に驚きはなかったのですが、ここまでハッキリと言われるとは思っていませんでした。

というのも、診断というのは「日常生活に適応できない」状態でやっと下りるもの、と思い込んでいたから。
娘は今までのところ嬉々として学校に通っているので、「自閉傾向」とか、診断基準には満たない「グレーゾーン」とか、ふわふわした位置付けになるんだろうなぁと漠然と思っていたのです。

 

過去のエントリーを見ても、グレーと思ってHSCの可能性を考えてた時期もありました。

 👆HSC、最終的には胡散臭く感じている。
医学用語でもないのにこの広まりようは少し不安。
話半分くらいの受け止め方でちょうどいいかも。

 

👆去年の秋頃(診断前)は、子の特性の受け止め方を試行錯誤していた。全面的に受け入れたい気持ちと、この子は大丈夫だろうかという焦りが、戸目子の中で混在していた時期。

 

 


娘の場合、主な症状は以下のとおり。

(1)激しい癇癪(一歳から現在まで)
現在は基本的に家、または両親に対してのみ。
こだわりが通らない時、思ったことと現実が違った時、ゲームなど勝負事で負けたとき等。
癇癪は自閉症に特有のものらしい。今のところ暴力や暴言が両親に向かうが、これが自傷とならないよう願うばかり。
医師からは、怒りを感じたときに何か発散できるものがあるといいと、例として握りバナナなるものを勧められた。ぎゅーっと握るのにけっこう力が要るやつで、今すぐ欲しいのに同じものがネットにない!!

(2)極度の怖がり(乳児期から現在まで)
不安から、新しいことに挑戦することが難しい。
たまに、過去の不快な体験(や夢)を突然思い出してパニックを起こす(フラッシュバック)。

(3)偏食(乳児期から、現在少し改善傾向)
これは、不安や思い込みから拒否しているのかと思っていたが、医師によると、一般の偏食とは違って(偏食のある)発達の子たちは感じ方が違うゆえとのこと。例えば私たちがアルミホイルを噛んで感じる違和感みたいなものを実際に感じているらしい。

(4)身体接触、大きな音など刺激への過敏性
両親以外から身体に触れられる・ふいに触れられることを嫌がる。また、突発的な大きな音が苦手で、耳を塞ぐしぐさをする。

(5)言語の遅れ
これはバイリンガルの環境ということで、なかなか判断が難しかった。(バイリンガルの子は遅いらしいと周りからよく聞いていた)
日本で受けた3歳児健診も、第一言語が英語だとちゃんと診てもらえない。
ただ今思うと、言葉/コミュニケーションそのものへの興味の薄さが言語習得に時間がかかった原因と考えられる。
現在は根気よく教えればよく習得する。

(6)無関心・鈍感さ
あらゆるものに敏感で、不安が大きく慎重である反面、極端な鈍感さがみられる。
周りが何をしているのか/話しているのかや、相手が何を考えているのか/要求しているのか等に興味関心が薄い。
名前を呼ばないと(呼んでも)自分に話しかけられていると気づきにくい、
今何をすべきかといった状況判断が苦手、
着るもの、着こなしに無頓着など。
例えば、親がバルコニーに出てタバコを吸っていても、何してるのか気にならないから何年も知らなかった(最近になって初めて覗きにきたが、特に質問などはナシ)、
大学病院に通院しているが、なぜ自分が病院にいるのかといった疑問は示さないなど。

─ただ、基本的にとても頑張りやさんの娘。これらの鈍感さに本人が少しずつ気づき始めた一年ほど前から、「社会生活の中ではちゃんとしなければいけない」という強迫観念が強く出てきて、そのストレスが家での癇癪となって現れることが増えた。─

乳児の頃は驚くほど育てやすく、泣くこともほとんどなかった。大音量の音楽がかかろうがバタバタ移動させようが極寒だろうが構わずすやすや寝ていた。人見知りや後追いなどが見られなかった。

また、極端ではないが体の動きや手先に独特な不器用さがある。かと思えば極端な緻密さを見せる。

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6歳の頃の作風のひとつ
当時はほぼ毎日漫画や絵本を描いていた
漫画世界のキャラクターは皆とても表情豊か

(7)没頭
同じ対象物(オモチャ遊び・歌・お絵かき等)に何時間も没頭する。

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エルサのLEGOが解体されたバトルフィールド
ここ数ヶ月は興味が漫画作りからポケモンバトルに移った
今日も、こちらが呼ぶまでこれに4時間以上没頭


(8)緘黙
(最初のコロナのステイホーム明け〜)
最近は、少数の大人相手には少しリラックスして話せるように。それでも家の中での姿とはまた別。

 

〈対応編に続く〉

 

 

 

その日メモ :

先週のニュース、ショックがまだ尾を引いている。

半世紀の歩みが、一瞬で逆戻り。
これからは、中絶できない州に住むアメリカ国民は、中絶するために遠く離れた州まで行くしかない。簡単に行き来できない貧困層から犠牲になる。

記事にもあるように、この直接の原因はトランプ政権下で任命された保守派最高裁判事3人が加わったことによるもの。
彼らの次なる目標は、同性婚や避妊の見直し。まさかと思うけど、今回の件も "まさか" だった。..よね?
アメリカが先進国で世界の警察なんて、どの口が言えるのか。(アメリカ、の定義がそもそも難しいけど)

 

日本も人ごとではない。
女の身体のこととなると、なんとしてでも女性自身に決めさせまいと躍起になる医療界(を中心とした日本社会)。
戸目子は個人的にも、日本の産婦人科・婦人科ではかなり不快な思いをしてきた。毎年、婦人科検診へは心を殺して行ってます。

中絶においては、日本は宗教が絡まないのでアメリカのような極端さはないが、アフターピル(緊急避妊薬)は1分1秒が大事ってのに未だ医師の処方が要るし、中絶方法も選択肢を与えられず外科的手術が大半というし、避妊薬のピルは開発から承認まで半世紀弱もかかり(たった半年で承認されたバイアグラとよく比較される)、出産となると「病気じゃない」として、支給される一時金の他に出産状況によって違う支払いが生じる上に、無痛分娩は未だ少数派かつ高額。
「(薬など) 承認したら女性が悪用する」が口癖の日本産婦人科医会(もちろん役員はほぼ男性)メンバーは女に恨みでもあるのか。
一方、社会が女の身体について女性の意思を尊重するときはほぼ(多くは未成年の)性交同意関連。性行為のこととなればもちろん搾取構造やチャイルドグルーミングの問題は見て見ぬふり。少女/女性側が同意してなかったと主張しても、加害者は無罪かまともに裁かれない判決が出るばかり。
また、ついこないだも「先進国の過半が売買春を合法化するのは、女性の性の自己決定のため」といい、日本も見習えと言わんばかりの高名な『社会学者』がおりました。売買春の合法化は、違法化によって発達する闇市場で搾取される被害をなくすのが第一の理由です。売春における性の自己決定なんて、その後の後の後の後くらいじゃないか。
どんだけ都合がいいのか。
先は長い。

 

 

 

 

 

非人間的な場所で社会化される

 

電動自転車での娘の送り迎えも、生活リズムの一部として定着し(というか送り迎えだけが生活リズム)、風を切って走る爽快感と、娘とのプチ旅気分を毎日エンジョイしている戸目子ですが。
ノンストップでどんどんどんどん大きくなる子供。
一応チャイルドシートの規定も「未就学児まで」。

 

ということで、家と車は絶対持ちたくない!とイキっていた戸目子家ですが、母は大人しく自動車教習所に通いはじめました。
それもオートマ(AT)でなく、あえて難しいマニュアルを!

 

...でも早速初回のシュミレータ実習で不安になり、途中からでもATへ変更できるかとか色々ググりました。
(途中変更できるみたい)
でも実際にクルマを動かしてみたら、ちょっと出来る気がしてきた!

ちなみにマニュアル車を選択したのは、十年ほど前にドイツ人たちから「免許取るならマニュアル」と聞いたから。ヨーロッパではまだまだマニュアル車が多いらしく、MT免許が重宝するそうです。
十年前の話だけど。

 

 

初めて教習所に申請に行った日は、その非人間的な雰囲気にむちゃくちゃおののいた。

受付の人たちは皆ロボットみたいな話し方と、機械のような手と指の使い方でテンプレ化した内容を説明する。
完璧に施されたネイルとか、一本一本計算されたみたいにセットされた髪の毛とかが、そのロボティックな動きや音声に映えて、怖さ倍増だった。

(マスクのせいやろけど)表情も読み取れないし、こちらのどんな質問にも無感情で的確な答えが返ってくるので、すごい精巧な機械だなと、最終的には感心した。


そして、無機質なチャイムが鳴ってはゾロゾロと足早に出たり入ったりしている教習生たちは皆、足並みが揃っていて、当たり前だけど一言も発さず無表情なので、なんとなく戦時中はこんなシーンが日常だったのかなとか、あるいはこれって未来の姿なのかとか心乱れた。
これだけ大勢の人間がいるのに、あまりヒトの気配が感じられない。音もない...!

 

と手続きの途中「赤いソファでお待ちください」と言われ、待っていたら突如恐怖MAXになって、す、すんませんキャンセルを‼︎ と申し出てしまった。

で、バスを待つ間、他の教習所をググりながら、もしやどこもこんな感じなのかも?、と疑い始め、今日せっかく色々準備して来たんだし皆が通った道なんだし勇気を出してはじめの一歩を!!と思い直して受付に戻り、担当になった別のロボットの方に登録申請しました。

 

 

これもダメ、あれもダメ、いかなる理由でも即刻退室、みたいなルールが厳しくて、まるで教官の間で「ビビらせよ」と示し合わせてるかのような説明会。(以降の授業は大分マシに)

ま、運転は命に大きく関わることだしな、と言い聞かせるも、海外のゆるゆる教習所事情(しかも安い) を思うとなんか違和の感が。
小学校から始まり、日本では「教壇に立つ」というのは支配とか威圧とか権力を意味するのかな? 根強い軍国主義を垣間見た気分。

 

ともあれ何回か通ううちに、すっかりロボットの一員として足早に歩く戸目子。
あぁ、自分ちゃんと社会化されてる~!! と一種の感動を覚えます。

※社会化
個人が他者との相互行為を通じて、諸資質を獲得し、その社会(集団)に適合的な行動のパターンを発達させる過程、つまり、人間形成の社会的な過程(socialization)

 

 

東京で車を持つなんて愚の骨頂!
と思ってたけど、便利なのは間違いない。

ただ、ドライバーとなるにあたって一番心配なのは、加害者になってしまう確率が爆増すること。
戸目子は、親/成人であること以外「社会的強者であること」の経験がほぼない人生だったので、ドライバーという強者の立場に付随する責任謙虚さを持つことに苦労するだろうと思います。
どちらも戸目子にあまり縁のなかった文字です。
(それがあっても事故は起こるんだろけど..)

 

また、学科教習の中で、
「自分が乗るクルマやバイクの力を、自分自身の力だと思い込んでしまう人がいます」といった説明があり、とても腑に落ちました。
力を持ちたい。その欲求が大きければ大きい人ほど、乗り物はもちろん、銃などの武器を持ったときに感じる全能感やいかに、と。

 

ちなみに、教習所が制作したであろう学科教習のビデオ、毎回見せられるんだけど、最悪の仕上がりです。
ステレオタイプとセクシズムを積極的に盛り込んでおり、あぁ、クルマ社会というのは、戸目子にとってまた新しい差別社会の経験となるのかもなと、覚悟を改める次第です。
アンカーマン(映画『俺たちニュースキャスター』)みたいな世界だったら面白いけど、現実はコメディにできないぶん冷酷です。

 

 

「マミー、"スクール" に行ってるの?!」と驚く娘。
母は教習所に通い、父は日本語を勉強する。
「親が何かを学んでいる」姿を子供が見るのは、とても大事だなと思います。

自分のとうに知っている日本語をたどたどしく練習する父を見て、たまに教えたりしながら、興味深く観察する娘。
勉強するのは子供だけじゃないこと、そして学ぶ楽しさは人類共通であることを、身体で感じとってくれたらいいな。
得意・不得意といった小さなレベルを超えた、ヒト本来が持つ好奇心を見せられる親でありたいと思っています。

 



 

 

その日メモ :

先日、朝から17時まで家に一人という日がありました。

娘のお迎えがいつもと1、2時間遅いだけなんだけど、この1時間の差は大きい!

前日から何をしようかとわくわくしてたが、結局なにも計画は立てられず。 するとどうなるか。

 

アンバーハードの反対尋問を
七時間鑑賞しました。

 

元夫婦 ジョニーデップとアンバーハードの裁判
これをぶっ続けで7時間くらい見た後はさすがに自分を呪った

 

それにしても、一度は愛し合った人と、裁判所でお互い視線を避けながら向き合い、プライバシーもなんもない醜い情報を晒し合って戦うというのは、そうそうできる経験ではない。(アメリカではTV放映されるし)

しかもつい先日は、ジョニーの25年前の恋人ケイトモスが、ジョニー側の証人として登場(ロンドンからオンライン)。

これ以上の「リアリティ・ショウ」がありますやろか!

 

ケイトモスなんて、そんな昔の恋人が今、自分のために証言台に立ってくれる、こんなロマンチックなことがあろうか。(内容はさておき)

戸目子も、あなたがもしジョニーの立場になったら、あなたのために立つよ!!証言したる!
と夫に熱弁ふるってたら、
「君はどちらかというとアンバーハード」て言われワロた。

 

今は週に3、4回、夫婦で夕方〜夜の散歩をして、将来の裁判劇に向けて愛を深めています。

 

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基本の散歩ルートは家から1km先のイオンにあるタリーズカフェ
(写真の麺は、映画『パラサイト』を観て以来ハマった
 チャパグリ/チャパゲティ等のまとめ買い)