戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

幼稚園、ありがとう!!!そして──

 

娘が3年間通った日本の幼稚園は、戸目子にとってドリームランドに見えました。

 

戸目子自身は、通っていた幼稚園がきらいでした。まず、先生たちが鬼みたいな顔をしていて怖かった。あの先生たちの、子供たちに向ける視線は、羊の群れを管理するカウボーイみたいに迷惑そうだったし、実際戸目子が「自分たちは動物みたいやな」と感じたシーンもいくつか記憶にあります。個人の保育、というより、"まとめて管理" という印象。(他の子にどう見えていたのかはわからないけど)

柔らかな支配や恐怖で子供を「しつけ」る保育で日々浴びる、尊重されてない感信用されてない感。それが当たり前の日常だったけど、戸目子は一向に慣れることができなかった。まぁ慣れなかったからこそ、こうやって今でもネチネチと文句を垂れることができるんだけど。

とりあえず、子供はけっこう考えていて色々感じてるんだってことを大人は知らんのだな、と当時の戸目子は感じていました。

 

 

時代なのか地域性なのか、その両方か、はたまたこの幼稚園が特別なのか、娘の幼稚園は「人権意識」を大切にしてる印象がありました。まず教員の在り方が徹底していた。

"先生" と一口にいえど、器用な人もいれば不器用な人もいる。人の心を掬い取るように細やかな感性をもった先生もいれば、画一的な世界観で、書かれた文字通りに動くことを得意とする先生もいる。そういった個人差のあることを大前提とした、保育におけるルール設定を徹底しているな、と感じることが多々ありました。

もちろん、もし戸目子が、園でたくさん嫌な思いをした子供や問題が解決しなかった子供の親であれば、そうも手放しで褒めてはいられないだろうけれど。

とりあえずうちの娘の3年間に関しては、これ以上ないサービスを提供してもらったという感謝の気持ちしかありません。

 

とっっても大変な子供だったので、年少の頃は一人の先生がほぼつきっきりでお世話してくれた日もたくさんありました。それでもお迎えに行けば「今日は娘ちゃんこんなことしてました!」とか「こんなかわいいこと言ってたんです~」とか、なんともないんだけど親には超絶嬉しいエピソードを満面の笑みで伝えてくれる。しかも100%ポジティブ情報である。100%!!
年中になって娘が少しずつ日本語で話し始めた頃、いつもお帰りのときに「あのね、あのね、」と何分もあのねしか言ってないような娘の長話に「ウンウン」と延々とつきあってくれた。この先生は ミスターミヤオ(愛猫)とか クローリー(愛カブトムシ)の話をそれぞれ200回くらい聞かされて人知れずうなされてたんじゃないか。。 また、ふだん娘が見る動画がロボカー・ポリとかパジャマスクなど、みんなが知らない番組だったので、娘がその話をすると先生も動画をチェックしてきては話題にしてくれたり、年長になってからは戸目子がHSCなどの話を持ちかけると、次の日には調べてきて一緒に考えてくれたり。そういうのは親には本当にありがたかった。自分たち以外に、娘を保護者目線で思ってくれている人がいる、と思えるのはとても心強かったです。

 

年間を通して行われるイベントも、完成度が高く、かなり充実していました。「戸目子の知らない娘」に何度も驚かされたし、季節の行事を通して、戸目子まで「季節を感じる」ことができるようになりました👍

 

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 娘が大きな声で「はいっ!」て言うた瞬間はなんとも感動したなぁ

 

 

 

 

──と、ここまでにしておきたいところだけど、やはり看過できなかった唯一の問題はジェンダー関連です。

まあ、混合名簿じゃないとか、必ず男子の後に女子だとか、なにかと男女を分けるとか、ロッカーの位置(男子が上段で女子が下段)とか、性差別的な教材とか、制服が選択できないとか、そういう毎日少しずつ、女の子の心が知らず知らず削られていくようなものに関して、細かな不満はいっぱいあれど、これらに関してはもう仕方ない、3年間の辛抱や、と思ってやってきました。(先生との個人面談では少し伝えたけど)

 

それでも。

毎日毎日子供の送り迎えをし、お弁当をつくり、PTAでは「子供の笑顔」を盾に無償労働をさせられ(戸目子もやった。かなり興味深い経験でした!)その他、保護者会や個人面談などで事あるごとに幼稚園と密~に関わってきたのは、どの家庭もほとんど母親である。

そんな3年間を過ごし、いよいよ卒園が近づいた二月のある日。担任の先生から一人ひとりの母親に粛々と手渡された卒園式の招待状。そこに桜のデコとともに美しい手書きで書かれてあったのは、夫の名前...。

 

 

 

ここにきてゴリゴリの家父長制丸出しかい!!!

 

 

連名ですらないのにはさすがに怒りを通り越して笑いが出ました。

同じく仰天した夫は園に申し出ようとしてたけど、結局首の持病で動けず式の出席すら叶わず。呼ばれてないけど、戸目子だけ参加した上に、ずうずうしくピアノまで弾いてきました。呼ばれてないけど。

 

こうして母親の労働は社会的に透明化され、正当に評価もされない上に "専業主婦" への風当たりの強さに小さくなってる人さえいる。
...幼稚園側で1gでもそこに疑問をもつ人が現れないものだろうか。「母親は必ず来るだろうから必要ない」とか思ってるのかな? この封筒を見た子供はどう思うかな。あ、やっぱりパパがメイン・マン("主人"の戸目子訳)なんやな、と再確認する子もいるだろうな。※それを母親自身が良しとしているか否かは関係ありません。この問題を "個人の問題" に還元してはいけないことを最近学びました。

これ、未だにこんなことばっか子供に植え付けてたら、成長してから認識を変えるのに (あるいは変えられず) 一番苦労するのは子供たちなのにな。立ち遅れている日本といえど、これからの時代、変化のスピードは加速する。それに乗るだけでも大変なのに、わざわざ足枷をつけるようなもの。

お弁当最後の日には母の味を称えたポエム付きの、『お母さんいつもお弁当作ってくれてありがとう』のサプライズレターを子供たちに書かせて多くの母を泣かせた。
ならコレにも気づいてよ!そして変えて!!!

 

 

 

 

その日メモ :

ここ最近、怒涛の日々を送っている戸目子。

1ヶ月前はバドミントンのやりすぎかなんかで右膝の激痛が起こり、丸一日寝たきりになった。

そして昨日からなぜか腰に激痛があり前にまったく屈めず、再びベッド生活。

夫の首も相変わらず不調。

 

よく90歳くらいのご夫婦が助け合ってゆっくりと歩いている風景を見るけど、うちもまさに見た目はそんなかんじ➕口だけ元気で罵倒し合っているから、まじ高齢ご夫婦たちが聖人に見える。

 

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 髪型が気になって内容が入ってこない、とネットで笑われてたやつ、参考になります。