映画好きの人の中には、自分自身を重ねたマイ・お気に入りキャラが一つ二つあろうかと思いますが、戸目子の場合のそれはタイタニックのローズであります。
理由は、映画公開当初に周りの人々(2名)に戸目子が出とったよって言われたから。
そんなこと言われたら、なんかちょっと気になるやん? で、その情報もって見に行ったから、15歳戸目子の気分は完全にローズ。
しばらくして少し成長したら、服装以外まったく共通点ないやん、て気づいたけど。
もしかしてやけど、あの人たちまさかキャシーベイツのこと言うてた?
(実際似てるのはこっち)(キャシーベイツも大好き)
まあローズは置いといても、
戸目子はケイト・ウィンスレットが大好きです!
俳優としてはもちろん、人/女性として、自然体であることに徹底的にこだわり続ける彼女の姿勢は、若き戸目子をかなりエンパワメントしました。
以来、あ〜初心に帰りたい、と思ったときに見るのが『タイタニック』で、大体5年に一度のペースでローズになっています。
今回も唐突に、見たい!夫と!今すぐ!!となって即日アマゾンでレンタル。(娘が同席したことは想定外)
いざ鑑賞となり、もちろん夫にはディカプリオになってもらったんだけど、彼は始終ちゃかして映画のロマンスをぶち壊したくせに、終盤でディカプリオがダイヤ窃盗の濡れ衣きせられたとこだけむっちゃ共鳴してた。
それにしても、実力派俳優二人がこんなチープな台詞ばっか言わされて、本人らも(こんなクソサムい台詞吐いてごめん)て漏らしながら演じてる匂いを所々感じられて良かったです。
ちなみに、ケイトウィンスレットが「この20年間自ら聴いたことは一度もない!(つまり嫌い)」と明言(The Late Showでのインタビューより)してるセリーヌ ディオンの主題歌を、娘が連日叫ぶようになりました。
まぁ〜でも、久しぶりに初々しい過去の自分をじっくり鑑賞して、夫に少し優しくなろう♡と心を新たにした次第です。
↑夫の大まかな風貌
戸目子にはこれがディカプリオも顔負けに見えてる
ちなみに、今回最大の発見は、沈みかけの船の中で乗客が逃げ惑う中のワンシーン。
移民と思われる三等船客のファミリー、その父親が、廊下の壁に書かれた英語を辞書で必死に調べています。
このたった3秒足らずのシーンが頭にこびりついて離れませんでした。
何度もみたはずなのに、以前までは目に入っていても頭に入ってなかった。
マイノリティの立場にあっては、(日常の些細なことはもちろん)こういう命に関わる場面で圧倒的不利となることが一瞬でわかるシーンでした。
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1月19日は、戸目子夫婦の9年目の記念日でした。
わたしたちは、ボーヴォワール&サルトルに倣って10年契約の関係を(口)約束しています。
でも戸目子はボーヴォワールと違ってチキンなので、2年契約ではなく10年、しかも来年は更新する気満々です。
でも、夫には未だ(色合いは変わりつつ)フレッシュな恋愛感情を持ち続け、毎月(毎週)ティーンカップルのような喧嘩沙汰を起こして消耗する(させる)今のような状態はあんま想像していなかった。
良くも悪くもマジカルな相性なのか、それともやっぱアート(タイタニック)効果?
とか思うと同時に、この関係絶対上手くいかんやろ、と言い合ってきた冗談がだんだん確信に変わりつつもあります。
実際に自分が「安定した関係」が苦手であることについて、(無事に迎えれたら)十年の節目となる来年頃からそろそろ考えていこうと思っています。
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「戸目子にローズの要素は皆無」と言い張る夫は、かねてより "ベティ・ブルー" のベティと、"ビューティフル・マインド" のジョン・ナッシュを足したのが戸目子と言っている。(割らないみたい)
え、フレンチ美女と天才数学者のコンボ?!?
最強やん?
と最初嬉しかった。
でもよくよく聞いたらどっちの映画も後半のやつやってよ。
どっちもエグっとるやん..
その日メモ :
Netflix版『新聞記者』全6話
力作で、事(森友学園問題)の運びとしてはほぼ実話に沿っている。
アベ政権の罪を風化させるもんかという意気込みを感じながら見ました。
(一方の現実では先日出た裁判結果が皮肉でしかない。)
唯一、「妻」たちの描き方には相変わらず辟易。
こういう妻が実際に存在したら、そりゃ素晴らしいと思います。実際いるでしょう、どこの世界にも。
でも個人の話は別として、今の時代に全世界をターゲットにした作品で、こういう妻像がスタンダードとして美しく描かれることに、何度も何度もメディアで見せられてきた「良妻賢母以外の個性がほとんど見えない妻」「当たり前にひたすら耐え、当たり前にひたすら夫を支える妻」の再生産に、特に最終話でゲンナーリしたのは戸目子だけだろうか。
そういう "日本人妻" のステレオタイプを、本国があいも変わらず丁寧に丁寧に発信し続けること、実際にその従順さや主張のなさ、献身性(あるいは一部のアニメやポルノ大国ゆえ過剰にsexualizationされた日本女性のイメージ)をアテに "日本人妻" というブランドを求める人も海外にたくさんいて、それをして「日本人女性はモテる」と(主に日本人男性が)言い回り、それをあてに外国人と付き合って傷つく日本人女性たちが多くいる現実があるうちは、こういうメディアの有害性には自覚的であるべきと思います。