戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

発達障害 ASD /診断編

 

今年に入り、オミクロンの到来で色々と延び延びになっていましたが。
当初、選択性緘黙症で受診していた娘ですが、最終的な診断名は『発達障害、自閉スペクトラム症(ASD)』。

「かつてはアスペルガー症候群とも言われていましたが、聞いたことはありますか」と医師に問われ、
「むちゃくちゃなじみ深いです」
と即答しかけたものの、「あはぁ、なんとなく。」と緩やかに着地。できるだけ細かく最新の情報に当たりたく。

医師によると、娘の場合「緘黙症というよりは、自閉症が先にあって、その不安から二次障害として緘黙の症状が出ていると考えられる」ということでした。

 

【自閉スペクトラム症】
人との相互的な意思疎通や状況に応じた適切な行動がとりにくい、特定の物事へのこだわりが強く柔軟な対応ができない、といった自閉症の特性を示す発達障害の総称。自閉症・アスペルガー症候群・特定不能の広汎性発達障害を、境界のあいまいな連続した一つの障害として捉えたもの。自閉症スペクトラム障害。ASD(autism spectrum disorder)。
─デジタル大辞泉より

 

10年ほど前まで、自閉症は3つくらいに分かれた名前がありましたが、ヒトの脳のこと、線引きの難しさからか、すべてを連続体(スペクトラム)と捉えこのような名称で統一されたようです。

発達障害(精神障害)に関してはここ10-20年の認知が目覚ましく、医療現場での対応も目まぐるしく変わっているのかもしれません。

でも、日本の教育現場では発達障害全般の知識がまだまだ充分に知れ渡っておらず、特別支援学級でさえ専門免許を持たない先生たちが多くいる問題があります。
ただでさえ教員不足/教員の過重労働が叫ばれてるのに、発達支援まで行き届かないというのが現状でしょうか。
娘の場合も、診療や知能検査など毎回の日程が空きすぎて、時間がかかったかかった。
「実際の支援受けるまでに成長しちゃうじゃん!」と何度思ったか。
周りの話でも、発達障害を持つ児童数に対して発達支援側(医師・教員・機関)の数が圧倒的に不足しているといい、適切な支援を得られない子供たちも大勢いるようです。

ということで、あれ?何かおかしいなと思ったら、できるだけ早く受診することをお勧めします。

 

娘の自閉的な傾向は乳幼児の頃から出ていたので、「あー、やっぱりか」と特に驚きはなかったのですが、ここまでハッキリと言われるとは思っていませんでした。

というのも、診断というのは「日常生活に適応できない」状態でやっと下りるもの、と思い込んでいたから。
娘は今までのところ嬉々として学校に通っているので、「自閉傾向」とか、診断基準には満たない「グレーゾーン」とか、ふわふわした位置付けになるんだろうなぁと漠然と思っていたのです。

 

過去のエントリーを見ても、グレーと思ってHSCの可能性を考えてた時期もありました。

 👆HSC、最終的には胡散臭く感じている。
医学用語でもないのにこの広まりようは少し不安。
話半分くらいの受け止め方でちょうどいいかも。

 

👆去年の秋頃(診断前)は、子の特性の受け止め方を試行錯誤していた。全面的に受け入れたい気持ちと、この子は大丈夫だろうかという焦りが、戸目子の中で混在していた時期。

 

 


娘の場合、主な症状は以下のとおり。

(1)激しい癇癪(一歳から現在まで)
現在は基本的に家、または両親に対してのみ。
こだわりが通らない時、思ったことと現実が違った時、ゲームなど勝負事で負けたとき等。
癇癪は自閉症に特有のものらしい。今のところ暴力や暴言が両親に向かうが、これが自傷とならないよう願うばかり。
医師からは、怒りを感じたときに何か発散できるものがあるといいと、例として握りバナナなるものを勧められた。ぎゅーっと握るのにけっこう力が要るやつで、今すぐ欲しいのに同じものがネットにない!!

(2)極度の怖がり(乳児期から現在まで)
不安から、新しいことに挑戦することが難しい。
たまに、過去の不快な体験(や夢)を突然思い出してパニックを起こす(フラッシュバック)。

(3)偏食(乳児期から、現在少し改善傾向)
これは、不安や思い込みから拒否しているのかと思っていたが、医師によると、一般の偏食とは違って(偏食のある)発達の子たちは感じ方が違うゆえとのこと。例えば私たちがアルミホイルを噛んで感じる違和感みたいなものを実際に感じているらしい。

(4)身体接触、大きな音など刺激への過敏性
両親以外から身体に触れられる・ふいに触れられることを嫌がる。また、突発的な大きな音が苦手で、耳を塞ぐしぐさをする。

(5)言語の遅れ
これはバイリンガルの環境ということで、なかなか判断が難しかった。(バイリンガルの子は遅いらしいと周りからよく聞いていた)
日本で受けた3歳児健診も、第一言語が英語だとちゃんと診てもらえない。
ただ今思うと、言葉/コミュニケーションそのものへの興味の薄さが言語習得に時間がかかった原因と考えられる。
現在は根気よく教えればよく習得する。

(6)無関心・鈍感さ
あらゆるものに敏感で、不安が大きく慎重である反面、極端な鈍感さがみられる。
周りが何をしているのか/話しているのかや、相手が何を考えているのか/要求しているのか等に興味関心が薄い。
名前を呼ばないと(呼んでも)自分に話しかけられていると気づきにくい、
今何をすべきかといった状況判断が苦手、
着るもの、着こなしに無頓着など。
例えば、親がバルコニーに出てタバコを吸っていても、何してるのか気にならないから何年も知らなかった(最近になって初めて覗きにきたが、特に質問などはナシ)、
大学病院に通院しているが、なぜ自分が病院にいるのかといった疑問は示さないなど。

─ただ、基本的にとても頑張りやさんの娘。これらの鈍感さに本人が少しずつ気づき始めた一年ほど前から、「社会生活の中ではちゃんとしなければいけない」という強迫観念が強く出てきて、そのストレスが家での癇癪となって現れることが増えた。─

乳児の頃は驚くほど育てやすく、泣くこともほとんどなかった。大音量の音楽がかかろうがバタバタ移動させようが極寒だろうが構わずすやすや寝ていた。人見知りや後追いなどが見られなかった。

また、極端ではないが体の動きや手先に独特な不器用さがある。かと思えば極端な緻密さを見せる。

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6歳の頃の作風のひとつ
当時はほぼ毎日漫画や絵本を描いていた
漫画世界のキャラクターは皆とても表情豊か

(7)没頭
同じ対象物(オモチャ遊び・歌・お絵かき等)に何時間も没頭する。

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エルサのLEGOが解体されたバトルフィールド
ここ数ヶ月は興味が漫画作りからポケモンバトルに移った
今日も、こちらが呼ぶまでこれに4時間以上没頭


(8)緘黙
(最初のコロナのステイホーム明け〜)
最近は、少数の大人相手には少しリラックスして話せるように。それでも家の中での姿とはまた別。

 

〈対応編に続く〉

 

 

 

その日メモ :

先週のニュース、ショックがまだ尾を引いている。

半世紀の歩みが、一瞬で逆戻り。
これからは、中絶できない州に住むアメリカ国民は、中絶するために遠く離れた州まで行くしかない。簡単に行き来できない貧困層から犠牲になる。

記事にもあるように、この直接の原因はトランプ政権下で任命された保守派最高裁判事3人が加わったことによるもの。
彼らの次なる目標は、同性婚や避妊の見直し。まさかと思うけど、今回の件も "まさか" だった。..よね?
アメリカが先進国で世界の警察なんて、どの口が言えるのか。(アメリカ、の定義がそもそも難しいけど)

 

日本も人ごとではない。
女の身体のこととなると、なんとしてでも女性自身に決めさせまいと躍起になる医療界(を中心とした日本社会)。
戸目子は個人的にも、日本の産婦人科・婦人科ではかなり不快な思いをしてきた。毎年、婦人科検診へは心を殺して行ってます。

中絶においては、日本は宗教が絡まないのでアメリカのような極端さはないが、アフターピル(緊急避妊薬)は1分1秒が大事ってのに未だ医師の処方が要るし、中絶方法も選択肢を与えられず外科的手術が大半というし、避妊薬のピルは開発から承認まで半世紀弱もかかり(たった半年で承認されたバイアグラとよく比較される)、出産となると「病気じゃない」として、支給される一時金の他に出産状況によって違う支払いが生じる上に、無痛分娩は未だ少数派かつ高額。
「(薬など) 承認したら女性が悪用する」が口癖の日本産婦人科医会(もちろん役員はほぼ男性)メンバーは女に恨みでもあるのか。
一方、社会が女の身体について女性の意思を尊重するときはほぼ(多くは未成年の)性交同意関連。性行為のこととなればもちろん搾取構造やチャイルドグルーミングの問題は見て見ぬふり。少女/女性側が同意してなかったと主張しても、加害者は無罪かまともに裁かれない判決が出るばかり。
また、ついこないだも「先進国の過半が売買春を合法化するのは、女性の性の自己決定のため」といい、日本も見習えと言わんばかりの高名な『社会学者』がおりました。売買春の合法化は、違法化によって発達する闇市場で搾取される被害をなくすのが第一の理由です。売春における性の自己決定なんて、その後の後の後の後くらいじゃないか。
どんだけ都合がいいのか。
先は長い。