戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

ボーっとしてなくても巻き込まれる仕組みになっている

 

戸目子は紙の本が好きで、積読コレクションがすごいことになっていますが、kindleの積読コレクションもすごいことになっています。

とくにkindleは1クリックで買えるので危険。
どうも【買った=読んだ】と脳が解釈している様子。

その中で、5年以上kindleライブラリでお眠りになっていたこちらを読了。

 

 

どういう経緯で買ったのか忘れたけど、開けてびっくり漫画だった!ので、一気に一晩で読み終えました。

タイトルの "カルト宗教" とは、かの有名なJW - エホバの証人のこと。
著者は元信者のたもさん。
なかなか引き込まれます。

 

エホバの証人は、一応聖書を教典とするキリスト教。
玄関のモニターに映る、(基本)微笑をたたえた二人組の女性を、誰でもすぐ思い浮かべられるのではないでしょうか。

──この世の中は悪魔サタンに支配されているから、エホバ(神)が、近くハルマゲドンで世界を滅ぼす。
でもエホバを信じる人は生き残り、地上の楽園で永遠の命を得ることができる。

なお、肝心の禁止事項は...

偶像ダメ(国歌や校歌などもダメ)
性の不品行ダメ(ここはカトリックまんま?)
戦いダメ(柔道剣道ボクシングなども)
輸血ダメ(よく裁判沙汰になってます)
etc..

 


印象深いシーンが色々あります。

神戸・淡路大震災に遭った当時中学3年生のたもさんが、亡くなってしまった知り合いの信者について、
「なぜエホバを信じているのに助からなかったの..?」とつぶやく。
すると、母親(信者)にすごい剣幕で怒鳴られるシーンがあります。

「たっちゃん!!疑念を抱くのは良くないことだわ!!あなた サタンにつけ狙われるわよ!!」

と。
そう、疑念を抱くのは良くない。(アホでいないと)

 

また、エホバでは大学進学が忌避され、ふつうの社会で夢を持ったり好きな職につくことが難しいという。
たもさんももちろん夢を諦め、20代はバイトとエホバの奉仕生活で貧困を極めた。

 

エホバの証人は貧困ビジネスに似ているかもしれません
信者に学がなく 貧乏であるほど神にすがるようになるからです


宗教(に限らず、あらゆる団体組織のトップや独裁者)というのは、人間を操るプロ。

人々にはできるだけバカでいてもらう必要があるし、貧乏であれば日々生きることだけに必死になってくれるから操りやすいのだろう。
あとは何かに恐れとか抱いてくれればもう言うことなし!

ところで、これは子供を洗脳するグルーミングの手法に似ていませんか。
子供の純粋さや判断力の未熟さを利用して「信用」させる。そして「自分の思い通りに動かそうとする」。

犯罪もそうだけど、うかうかしてるとこれは親が我が子にもやってしまう。。
例えば、子供に「あなたのためをおもって」と言いたくなったときは立ち止まる時、と思っています。

子供のためを思って何かをやるのはいいとして、それを子供に言わなければならない場面というのは、大抵、思い通りに動いてくれないとき。
子供を思い通りに動かそうとしている自分を疑うことは、とても大事だけどとても難しい──

でも、親という絶対的強者の立場にあるからには、そこを自分に問い続ける必要があると思います。
親は教師ではないし、導くことはあっても、あくまでもその主体は子供個人(他人)。
その子がその子であれるようにサポートするわけであって、自分の思い通りに矯正したり、恩を着せる相手ではない。
子供は自分でもなければ自分の所有物でもないし、自分の芸術作品でもない。

自戒を込めて、、   ( ¯ᒡ̱¯ ) スゥ・・・

 

 

最近、日本ではカウンセリングに通うことがまだまだ一般的でないねという話をしていたときに、流れで、カウンセリングの代わりに男はキャバクラ(等)に行き、女はカルト(等)にハマる。という実に偏った結論に行き着いた。
でもこれ、間違ってない。
(カウンセリングの代わりといっても、その方向性や効果は真逆だけど)

風俗界もカルト界も、「騙し」の世界である。
どちらも「あなたは特別♡」と心地よく騙してくれる。
あるいはカルト周辺の世界は、そんな特別なアナタに特別上質なものを☆といった売りで身近に潜み、それに乗せられていると「買え/売れ」のマルチビジネスの世界が開けてきたりする。

話が逸れました。
本来は、自分が自分を特別な存在として大事に扱わなければならないところが、なにぶん難しいので、向き合うのをやめて他者に依存してしまう。
人は弱いから、誰しもこの傾向がある。
依存相手が人でなくても、学歴や美貌や金や権力や、実に多種多様。
戸目子も、日々ゲンさんの言動に敏感なのは、ゲンさんに93%くらい依存してるからである。自分で自分を支えられている部分は7%くらいあるが、そのたった7%をすごい誇りに思っている。
自分を支えるって素晴らしい。(ちなみにここ数年の伸び率がすごい)

そして、この人を依存させる仕組みが、風俗界やカルト界というのはすごい完成度で出来上がっている。

戸目子の親世代(今の60-70代)は、それまでの大家族文化から核家族化していた中、専業主婦ワンオぺ育児の母親となった人が多く、その頃にたくさんの女性がカルト宗教に入信したと聞いて、へへーと思ったことがある。
孤独感と無力感に苦しむ人たちをターゲットにして、うまくつけ込んで金儲けするという発想が、悪以外のなんであろうね?

 

カルト界というのは本当に、あの手この手を使って、いかに「一般社会が実は恐ろしいもの/皆が騙されている世界」であるかを説くのだ。

反ワクチンに傾倒していた友人は「ワクチンを打たせている親は本当に子供のことを考えてるのか疑問」と言ったし、マルチに傾倒していた友人たちは皆「いいモノを扱っているのだから問題ない」「虚偽記載なら正規商品だって同じことをしてる」と言っていた。
代替医療、オーガニック食品やスキンケア関連、自己啓発セミナーにスピリチュアル、教育関連、陰謀論。
これらの世界に潜むカルト性は、ネットの威力でもはや無視できない規模で人々をコントロールしていて、どこも「言ったもん勝ち」みたいな世界になっている。

一旦、◯◯のせいで△△になる、という言説が広まると、それに反証するほうがずっとエネルギーも頭も使う。莫大なデータをもった科学(者)にそれができたとて、それを理解する人/耳を傾ける忍耐のある人がどれだけいるだろう?
なんにせよ◯◯のせいで△△になるのインパクトに勝るものはなさそう。
人は常に因果(理由)を探していて、手っ取り早く理由づけて安心したい生き物だし、いつでもシンプルかつ唯一の正解を求めてしまうのだ。

 

そして現代はネットという巨大な陰謀論プラットフォームである。
ボーッとしてたら私たちはいつの間にか高額なものを騙されて買ってるし、トンデモ情報に麻痺しているし、テキトーなデマ(でもたまに命に関わるやつ)を日々交換し合ってるし、自分のデータは他人のデータ、という世界を生きている。
現在の資本主義社会において「情報」は金を持つ者が思い通りに操作できる。
だから、もうボーっとしてなくても巻き込まれるものと覚悟して、積極的に情報リテラシー/ネットリテラシーを身につけていくしかない。

というようなことを、常に意識に置いておいてソンはないと思います。
(ジェフベゾスのガールフレンドと呼ばれて久しい戸目子より)

 

 

おわりに、たもさんの本のあとがきが印象的だったので、一部載せておきます。

洗脳されている当の本人は(かつての私も含め)自分が洗脳されているなんて夢にも思っていません。むしろ、唯一無二の真理を知ることができているという、謎の優越感を抱いています。そして真理を知らない人、知っていてもその教えを守らない人を、「いずれ滅びる気の毒な人、救いの必要な人」とみなしています。

今思えば恥ずかしい話なのですが、要するに上から目線なのです。

 

 

f:id:burningwoman:20221112132042j:image
これは昔ネットで拾ったやつ。
こういう単純化はよくないんだろうけど、面白いからとっといた。

 

ちなみにここ一年ほど、戸目子は子宮系スピリチュアルのウォッチャーです👀
感嘆、驚愕、愕然、感心が止まらない!ずいぶん楽しく拝見しております。