戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

アラフォーの魅力ってなに

 

先日の戸目子の誕生日 (正確には翌日)、家族LINEに母からのメッセージ。

 

お誕生日おめでとう!!アラフォーの魅力でますます輝いてねっ キラッキラッ  ←星

 

 

起き抜け早々ゲンナリ戸目子。

なんとも言えぬこの感覚、わかってくれる人はおらまいか。ひとまずいつものように、日本語に不自由な夫に一から説明し理解を得て鬱憤を晴らす。

 

( -.-) =з 

 

 

まずは大前提として、日本には、そして日本人にはその他たくさんの国と圧倒的な差異をもって『年齢にこだわる』という風習があります。意図的にこだわらせる。ほとんどの場合女性に。そして、女が歳をとることは基本的にネガティブなものとして認識されているように感じます。

これ、日本で暮らしている時はさほど意識しなかったけど (鈍感というより麻痺)、ヨーロッパで日本人と関わるうちに一番気になった部分のひとつ。知り合ってまず聞かれるのは歳だし、戸目子が2、3歳上とか下とか知るなり驚いたりショックがったり、何かにつけて歳のことを口にしたり、年上をネタに自虐したり、あるいは自分が年下であることを意識しすぎたり、若さに絶対的な価値があって疑わない前提があるような物言いをしたりする。(若さには一面的だが価値があるのは確か)

それは、今母となって再び日本で暮らしている日常でも感じています。そんな"空気"の中、歳なんてただの数字にすぎない、なんていう言葉はさぞ胡散臭く漂うだろう。

 

年齢のみならず、学歴・容姿・生まれ育ち・所属/配属場所・性別・既婚未婚・子あり子なし等のカテゴリーも同じ。これなら価値がある、これなら特権が与えられて良い、これは褒められるべき、みたいな暗黙の了解が当然ように共有されていて、それに関して多くの人は違和感を持たず、その作られた価値観をとても素直に継承しているように見える。

皆が気軽にお互いの容姿など「自分では変えられない部分」を褒めたり貶したりし、その内容は残酷なくらい自然にセクシズム(性差別的)やレイシズム(人種差別的=多くの場合白人至上主義的)の要素を含んでいる。

戸目子も子供時代はもちろん、学生時代もこういった価値観に多分に染まっていた。それがもたらす不自由さ、虚無感や息苦しさは自覚できても、その原因をたどることは当時の条件下では難しすぎた。

今でも無意味なしがらみから完全に抜けきることはできずにいるけど、それらから自由/マシな場所で、それらにとらわれていない人々の中で生きることの解放感ったらないのだ。

 

 

 

そこで、アラフォーの魅力とは。

アラサーやアラフォーという言葉、そんなに気にならない使われ方もあるけど、なんたって今回は祝いの言葉に挿し入れてきたのだ。

気軽に発した本人に悪気がないのはわかります。むしろ悪気がないからタチが悪いのです。またかという違和感を抑えもって母に「アラフォーの魅力ってなに?」と聞いてみると答えは案の定、気力体力が一番漲っている時期だとか人生経験の豊富さゆえの視野の広さだとかそんなん 人によるやん

皆歳とともに上等なワインになると思ってる。だが実際は酢になるやつばかり (※パルプフィクションより)   逆に戸目子に魅力が出てきたとしても、それはアラフォーだからではないのだ。

色々とツッコんでいくと最終的にはししゃごにゅうししゃごにゅう言ってたけどだからなんでわざわざししゃごにゅうするの。37は37だし、40は40なのに。

 

そもそも、初めてアラサーなる言葉を耳にし始めたとき戸目子はパリに住んでいて、アラサーだった。またなんか差別的な造語が出てきたなと違和感を覚えたことを覚えている。

20代、30代というシンプルな括りだけではイケナイ何かがあるのだ。

年齢をぼかすためだったり、26や27になると30を意識しろという圧力だったり、アラサーの仲間入りをするというのは自虐的かつネガティブな文脈を持つことが多い。

その証拠にアラサーから始まってアラフォー、アラフィフまでできたのに、アラトゥーというのはない。それは二十歳あたりがなんらかの (というか明らかな)視点からみてネガティブ要素がないとされるからじゃん?  また、27あたりからはアラサ-アラサ-連発するのに対し、実際に30超えると連発しなくなる。この言葉に隠された意図と合致しないからじゃん。

母は、30代後半に差し掛かった姪子や義娘の誕生日に同じ言葉を発するだろうか?(聞いたところ、発するらしい。終)

 

造語や価値観というのは多くの場合、特定の集団の思惑を反映して生み出される。

そこになんらかの有害な意図が含まれ得るのかどうかを個人が考えていかない限り、搾取や差別の構造はなくならない。母のように何も考えず、疑いもなく愛用したりするのは、ただお上(権力)に都合のいい存在であるだけなく図らずもそれに加担する=共犯者(accomplice) となる。これは、世界があらゆる差別とやっと正面から向き合い出したここ10年ほど、よく耳にする言葉だ。

 

 もうこういう無意味で有害なカテ分けカルチャーは終わりにしてよ。女に生まれたってだけで、どんだけ年齢 (そのコンセプトは性的消費物としての価値レベル)ありきでカテゴライズされ圧力をかけられるのか。

 勝ち組負け組 美魔女 女子アナ JK(女子高生)  女子力 リケジョ 熟女 年増 オールドミス 結婚適齢期 etc.

すぐにでも死滅してくれることを願う。

 

 

※戸目子の意見に耳を傾けてくれ議論させてくれる母には、とても感謝しています。(すぐ忘れるみたいやけど)

 

 

 

 

その日メモ :

2月中旬から家族そろっての引きこもり生活では、今まで以上に夫婦でドクターマリオ中毒になってるが、そろそろ夫の身体に限界がきてるみたい。

 

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子供の描く絵にも影響するみたい