戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

養子縁組/養育里親という選択

 

子供を持つ、ということについて定期的に考える戸目子家にとって、養子縁組というのは選択肢のひとつです。

既に存在していて親を必要とする子を育てたいというのはかねてからの夫の思いで、これは付き合い当初から聞いていたので、いつしか戸目子にとっても身近に感じられるようになりました。

彼の母国であるインドをはじめ、養親となった友人知人は欧州にちらほらいるため、子供が養子であることがそう特別であるという認識もなくなりつつあります。

 

当初は孤児であふれている国の子を、と考えていたけれど、公的に迎えるに当たってかかる労力(例えば定期的に子供の母国に行って出廷しなければならないなど)に足踏みしていたのと、東京に住みはじめた頃、日本にも養親が足りていないという情報を聞きかじったこともあり、少し調べてみました。そこで知ったのが日本の『養育里親』という制度で、これは家庭を提供し、里親として子供を預かるという制度です。

 

 

養子縁組に関しては、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があり、"普通" の方は子供と実親の戸籍上の縁が切れていない状態での縁組、"特別" の方は完全に切れてからの縁組。

実際には「育てられないけれど完全に縁を切る覚悟ができない」という実親がほとんどで、その子どもの数は東京都で約4,000人ほど。対して、実親と完全に縁が切れている子供は都内に30~40人。つまり、特別養子縁組として戸籍上も「家族」になれるのは、この30~40人だけです。

 

でも、色んな事情から乳児院や施設で暮らす子供たちもできるだけ「家庭生活」がほしい、そういう子供たちに一時的にでも家庭を用意してあげたい、用意するべきだという理念で新しくできた制度が『養育里親』で、こちらは志願する里親がまだまだ不足している状況だといいます。

 

 

三年ほど前、この『養育里親』を考えていた私は娘を連れて軽く話を聞きに伺いました。その時は「養育里親は、子供が(養育中)いくつになっても戸籍上家族になることはできない」という一点において、最終的に断念しました。

わたしたちは将来確実に日本を出ます。養育里親制度は、たしか日本に住まなければならないルールというのはないものの、日本に住まない前提での話もない。子供と一緒に暮らしている間は、(戸籍上でも)実親との関係がずっと続くし、行政が関わり続けるため、何かあったときのために日本にいなくてはならないだろう。

里親としてどれくらいの期間一緒に暮らせるのかはケースバイケース。実親が突然入院したとか虐待等の理由で一時的に家庭が必要な子供もいれば、実親から引き取りの話が出ないまま、18歳になるまでずっと一緒に暮らし続けるというケースもあるそうです。その場合は、子供が18歳になった時点で「社会的養護」の対象からは外れるので、あとは子供が自分(たち)で今後のあり方や戸籍の選択などを決められます。

いずれにしても、期間に関しては短期・長期含めある程度の目処が立ってから委託を受け、あとは養親と子供側の都合を調整しながら進めていきます。

 

養育里親として暮らし始めて数年後とかに(実家庭の事情や、私たちが日本を離れる等の理由で)別れなければならないのは、それが子供にとって(何も無いよりは)良い/ベターであったとしても、耐えられないだろうなと。
もし何かがどうにかなって、日本に18年以上住み続けることになれば、改めて考えようという結論に至りました。

 

 

そんなこんなで、もし養子を迎えるなら養育里親ではなく、戸籍上も完全に家族になれる "特別養子縁組" という選択を考えた私たちは再び、5歳の娘を連れて児童相談所に話を聞きに行きました。

今回は娘が5歳ということで、彼女の前ですべての説明をしても大丈夫かという確認を何度かされました。(日本語が細かくわからない娘は話をまったく聞いておらず、隣でウォーリーを探したりお菓子を食べたりしてた)

話を聞くという段階のわたしたちは、担当の方二人に2時間以上も割いていろいろと熱心に教えていただきました。そのこと自体にとても感銘を受けたこと、そして、東京都で特別養子縁組を希望する養親が(30~40人の養子候補に対して)約200組もいることの二点において、何ともいえん温かい愛のようなものを感じた日となりました。

大変な事情を抱えた子供がたくさんいるけれど、こんなにたくさんの大人が何とかしようと日々闘っているのだと思うと、改めてこの国はすごいなと思います。

 

おそらくその200組の養親候補の人たちは、どうしても子供がほしいけど様々な理由から持つことができない事情を抱えているのだと思います。申請して、研修を受け、連絡を待ち、養親候補として手を挙げ続けても、多くの夫婦には子供が来るとは限らない。

 

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養親夫婦二人ともが45歳以下ならば、新生児の養子を迎えるにあたって有利(声がかかりやすい)ではあるらしいけれど、それも含めてわたしたちはちょっとお呼びではないかな、という結論になりつつあります。

 

 

『養育里親』制度の方に関しては、待っている子供たちが日本中にたくさんいます。委託中は養育費も支給されます。

一人でも多くの子供が、1日でも長くあたたかい家庭の中で暮らせますように。

 

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このサイトには、里親さん家庭の暮らしやインタビューなどが詳しく載っています。

 

 

 

 

 

その日メモ :

就学時健康診断へ!!はりきって出かけた娘。

 

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ギリに行ったので長蛇の列 セルフィしながら待つ娘

 

お名前は?の質問にすべて「○○(名前)さんです!」と答える娘を誇り高く見守る戸目子 ( ´ゝ`)

そこまでは良かったが、内科検診、耳鼻科、歯科と、医者に少しでも触られると世にも残虐な拷問シーンみたいに反応する彼女、去年のインフル検査のトラウマが消えてないどころか悪化してる。
(毎回それぞれの診察後、グラサンかけて心を落ち着かせる娘)

それを見ながら、自分が5歳のときの就学時健診の記憶が蘇った。(戸目子の場合は服を脱ぎたくなくて全力で抵抗した)

また、視力検査では戸目子と先生方の必死の説明も虚しく、トンチンカンな回答でC判定。これは、ほんとに見えてないのか単にわかってないのか不明。

 

娘にとっては、ヒヤヒヤドキドキのアトラクションパークみたいな大イベントだった模様。

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