戸目子のブログ

大人になった娘が読むことを想定して書く、日常や過去の覚書き

一人っ子の Pros & Cons

 

最近、6歳娘と自分の足の長さがそう変わらないことに気づいた戸目子です。

 

昔から、一人っ子というのは何かとウルさく言われるイメージがありますが──

わがままで自分本位で常識がない(全部戸目子だよ)とか思われがちで、どこか性格や言動に問題を見つけるたびに、一人っ子であることと結びつけて批判されたり。
戸目子が高校生のときは、とある教師が、
「一人っ子は、一人っ子であるというだけで病気なんです。」と、一人っ子の多かったその学校の授業中に豪語していたのも、今だに引っかかっています。
彼はその後3人の子宝に恵まれていたので、自説を覆しうる経験をしないまま、まあ幸せにやっているのだと思います。

一方、今までのところ楽しく一人娘を育てている親の一人として、これまで感じてきた〈一人っ子の Pros & Cons(メリット・デメリット)〜戸目子家の場合〉をここに記しておこうと思います。

 

【Pros】

①静寂の中で数時間集中できる

メリットはなんといってもコレです。
娘は(特定的な)集中力がハンパなく、ほぼ毎日1~2時間、休日などは放っておけば4~5時間机に向かってひたすら漫画らしきものを描き続けています。あまりに静かで、親はたまに彼女の存在を忘れてしまうほど。
その間は夫婦二人の時間を持てたり、それぞれ一人の時間を満喫できるのだけど、その時の「静寂」がなんとも良きです。(普段の声量が3人ともすごいので)

この「静寂」は、子供が一人増えるたびに激減するんじゃないか、そしたら娘の集中はここまで長く続かないのではないか、と推測します。

 

②ベビーでいさせられる

子供が二人以上だと、上の子は下の子より大きいので、必然的に「あなたはもう大きいんだから..」という気持ちで接してしまうことが多くなる気がします。長子としてはたまったもんじゃない理屈です。

その点一人っ子は、いつまでたってもベビー!
うちのベイビーは23kgの今でも毎日気がすむまでだっこされて、誰のお手本になるでもない気楽さを享受していると思います。
是非は別として、この点では親も子もストレスフリー。

 

③孤独に強くなる傾向?

これは個人差も大きいと思いますが。
なんとなく、大家族で育った人は大人になっても大家族や大人数を望む傾向にあるように思います。
対して、一人っ子育ちをはじめ、自分自身や静寂さと向き合うことが多い環境は、"一人の強さ" を育みやすいと思います。
そして、ワイワイ大家族が好きな人が孤独になった場合よりも、孤独OKな人が大所帯になった場合のほうがストレス値は低い気がするので、どちらに転んでもいい「孤独OKタイプ」の方がオトクかな、と推測。

 

④存分に投資

これは言わずもがな。
うちの場合、英語圏に住まない限り学校にお金がかかり続けるため、一人分と二人分では将来的にかなりの差が出ます。
(是非は別として)身の回りのものやオモチャや教育などに、マイルールの範囲で躊躇なく出資できるのが嬉しい。

⑤親主導の動きやすさ

これも大きなメリットです。
どこに行くにも躊躇なく、パッと出られる自由さは手放し難い。
大人2に対して子供1だと、主導権が親側にある "気" がしますが、大人2子供2となると、それが一気に子供側に傾く "気" がして、自由さが薄れる気がします。
つまり、子供が親側に合わせるか、親が子供側に合わせるかの比率が、人生を通してかなり変わってくるように思います。

また、コロナ前は、国をまたぐ引越しや旅で移動だらけだったので、一人っ子は本当に楽でした。
定住生活か移動生活か、といった生活スタイルと家族構成は戸目子の中で強く関係するので、もし「ずっと同じ地域に住む人生」だった場合、あまり迷わず二人目を持ったと思います。

てことで、今のコロナ自粛生活が二人目欲を呼び寄せてる部分は大きい!(今気づいた)

 

⑥忍耐力に欠ける親でも、一人ならなんとか頑張れる

キャパが米粒大の戸目子は一度にふたつ以上のストレスに対処できないので、複数の子供がガチャガチャの状態でどれだけ正気を保てるか自信がありません。
でも一人だったから、難しいタイプの娘でもこれまでじっくり向き合うことができました。
また、「せめて3歳までは、何があっても怒らない・叱らない」と決めてましたが、それを丸4年間達成できたのも一人だったからだと思っています。(危険なことをしないタイプの子だったのも大きいけど)
赤ちゃん〜幼児期の、愛くるしい一挙一動を堪能できたのはもちろん、イヤイヤ期のカオスも色々と踏ん張れたのは、けっこうな達成感をもたらしてくれました。

 

⑦親密感

先日、両親と10歳くらいの子が公園でバドミントンをしている風景を眺めていて、あ〜なんかいーなぁ...♡と思いながら(ガン)見てました。(一人っ子か知らんけど)
なんというか、そこにもう一人子供がいたらそれはそれでまたいいのだけど、やっぱり一人っ子家庭独特の「密」な空気感ってある気がします。
子供が成人してからの親子の絆も強いイメージ。(ただのイメージ。)

 

⑧エコ

日本の外から、事あるごとにリマインドされるこの問題。

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"子供は可愛いが、エコ・フレンドリーではない"

CO2排出量でいえば、"子供を一人持たない" は "車をひとつ持たない" の約25倍(58.6トン)毎年削減できる。
とくにうちは飛行機(それも国際線)をよく使うファミリーという、それだけでかなり地球に良くないことをしている意識があるので、この問題は大きな歯止めとなっています。

 

【Cons】

①プレッシャー

デメリット第一位はこれじゃないでしょうか。
どんなに親が「プレッシャーにならないよう」気をかけて育てようが、子供からしたら、子供一人という構図がすでにプレッシャー。
親がよっっぽど子供に興味がないか、よっっぽど子供が鈍感かでなければ、避けては通れない「親のエゴ」問題。それを一身に背負う一人っ子たち。

 

②愛情ダブル!の経験ができない

二人目を欲するときの理由のひとつが、
「これほどまでに愛しい生き物が、もうひとつ存在しうるのか?!」という興味。
一人にかける愛情を100としたら、二人いると200になるっていうじゃあないですか。考えただけでもゾクゾクしますが、その経験ができないのは少し残念に思います。

 

③多様性の欠如

子供が増えると家庭内での多様性が広がります。
同じ親から生まれても一人ひとり別人なので、たっっった2つ3つのデータでも、子供というのはこれほどに違うものなのかというのがわかって日々勉強になると思います。
偶然二人とも同じタイプだったとしても、その家庭のキャラが濃くなるという意味で面白いだろうし。(戸目子の友達に、3人産んで3人とも仏のような子ばかりの所があるが、あそこは何人産んでも仏が増えるだけだと思う。)

 

③きょうだいという関係性がない

娘を見ていると、友達・イトコ・近所の子・親の友人の子など、相手が同じキッズでも、関係性が異なると関わり合い方が少しずつ違っています。
例えば、娘がイトコたちといるときの雰囲気は、友達といるのと少し違うし、親近感も5割増し。
てことは、きょうだいがいれば、きょうだい独自の関係性を構築するんだろうなと。
関係性に多様さがあればあるほど自己表現の幅が広がるのはいいなあと思います。

また、下の子に好かれる・頼られることで責任感や自信が育つ、というのも大きい。

 

④社会性を育む機会の欠如

これは完全に「人による」案件ですが。
娘は、同じ年頃の子たちとうまく遊んだりつき合ったりが苦手です。
友達の輪に入れず(というか興味を示さず)ポツンと一人で遊ぶ娘を見て、頼もしくもあり少し心配でもあり、なかなか複雑です。

そんなタイプだから、尚更きょうだいを作ってあげたいなと思うこともあるけど、歳が7つ以上も離れるしなぁ、、

でも、幼少期に毎日一緒に過ごすきょうだい間で育まれる「社会性」というのはある気がします。
まず、家に子供一人だと、誰かと「喧嘩する」という経験が圧倒的に不足するし。(まあ、きょうだい同士でも年齢差ゆえにパワハラみたいな喧嘩になってしまうと害の方が大きいだろうけど)

 

⑤晩年の孤独感

これは時代遅れの考えかもしれませんが。てか時代遅れの考えであってほしい!
これからの時代、家族だからって必然的に強い絆で結ばれるワケでもなかろうし。
でも、親の問題や親の死を一人で受け止めさせることや、親の死後一人にさせるのは申し訳ないという思いは少なからずあります。(娘が家族を作っていたとしても)

ここは、古き良き家族の絆より、自分で選んだ人たち同士とのたくさんの絆で、孤立することなく晩年を謳歌する未来の人間世界に期待!!

 

 

これとは別に「二人っ子」の場合も、いい所悪い所たくさんあると思うので、掘り下げて聞いてみたいです。
これから数ヶ月ほど、周りの人たちにはそんな質問ばかりする所存です。

 

と、ひとしきり考えていた先日、ふと娘に「妹か弟ほしい?」と聞いてみたら "NO." と即答されて終わりました。

 

 

 

 

 

その日メモ :

娘の学校は六月末から早くも夏休み入り。
なので七月末まで1か月ほど、近くの公立小学校に臨時的に通わせてみることにした。

初日は心配だったため(というより興味で)戸目子は教室の後ろで4時間ほど見学させてもらいました。 が。

ポッと現れた戸目子親子を大歓迎してくれ、娘に対してもかなり気を遣ってくれている手前、言いづらい部分はあるのだけど──

もう色んな意味で衝撃だった。

今日、同じ地域の友達親子数組と会ってきました。
でも他の親御さんたちに(我が子はずっと通うわけではない身で)学校のことをdisりまくるのは失礼やし感じ悪いし不快やろし無責任なので、きちんとオブラートにくるんで緩~くdisろう!と固く決心したはずが。
自分もびっくりの剣幕で怒り狂ったよ。💢

出るわ出るわ数々の理不尽エピソードはじめ、同じ地域のとある小学校に通う子によると、授業中はトイレに行けない決まりだという。
それ、人権侵害だよ?
敏感なその子は、それがプレッシャーで極度の頻尿になってしまってる。(心因性と診断)

 

戸目子の小学校時代から30年ほど経ってるし、色々と変わってるんだろうなぁ!と心躍らせて行ってみたら、まさかのムショやん......
これ、参観日とかじゃなくて、こうして普通の日をずっと見学してみないとわからなかったと思う。
あと、子供はミラクルに順応性があるから、子供が不満を言わないからって安心とは限らない。

そうか..
"教育=支配" という構図が、未だこんなにスタンダードとして健在だったのか、と強く落胆しました。
威圧的に、理不尽に押さえつけられたり、むっちゃすごいことしたり言ったりしてるのにスルーされまくる子供たちを見るたびに、いたたまれない気持ちになりました。
こうやって小学一年生をガチガチに厳しく躾ける目的は、大人(権力者) が管理しやすい生徒(国民) に育てるためなんだろうな。そして、そのこと自体を個々の先生方は認識してないとみた。知らずにやってる。

 

でもこういう問題って、どう対処したらいいんだ?!

とりあえず家庭内で、できる限り「先生や親の言うこと・することが必ずしも正しいわけではない/完全ではない」ことを繰り返し教え込むのと、「何か不快な思いをしたときは必ず知らせてほしい」と伝えることかな... 

とりあえず、子供たちの多様さと面白さ、アメージングさに乾杯🍺